剥がれる【JK】 (ページ18)

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ジョングクには曲をすぐに作る、と言うと隣に座った。たしかに、彼が歌う曲だしジョングクが隣にいるほうがいい。

無心で音を並べ、ちょっと涙が溢れそうになるけど堪えてジョングクの方を見て笑う。

こいつがこのグループにいてよかった、ジョングクのヒョンでいれてよかったと心から思う。

「よし……」

そう言って2時間くらいである程度のベースが完成した。ジョングクは音を聞いていたからか、なんとなく口ずさむその姿にまたよし、と心の中でガッツポーズをした。

JK「ヒョン！一回ヌナのところに聞かせに行きませんか？？」

一瞬ヌナ、というので、誰のことかと思った。が、彼はもうそこまでの仲になったのか。人見知りのあのチョンジョングクが。

「そうだな。」

ここまでジョングクの素を引き出す彼女は何者なのか。音楽界の神、レイは。

「失礼します。」

そうドアを叩いても返事はなくて、ジョングクがドアを開けようとする。

「お、おい。」

そう呼んでもずかずかと入り込むジョングクに、これは本当にあのジョングクか？とすら思える。

『お、グク。あと…ナムジュンさん。』

思わぬ刺客だと思ったのか、少し驚いて俺の名前を呼んだ。グクと呼んでいるのか、なんていらぬことを考える。

「突然押しかけてすみません。ジョングクからもらった歌詞に音を乗せてみたので聴いてもらえませんか？」

ジョングクの歌詞でピンときたのか、二つ返事でUSBを自身のパソコンに挿す。

彼女のお眼鏡に叶わなかったら、と心臓の音がマイクで通しているかのように大きくなっていた。