一年後のカロパの話 ページ1
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「晴さん、準備は出来ましたか？」
「ええ、もちろんです。…では、始めましょうか」
カシュ、という心地の良い音と共に、「では、念願のカロパ開催！」と高らかに声が響き渡る
二つの墓石の前に座った二人の登山家は、それぞれ持ち寄った登山食を墓石の前にそっと置いた
「それにしても、カロパとか言いながら最初に開けるのオスコーブランドの缶詰なんですね」
「細かいことは気にしなくて大丈夫でしょう、晴さん！ きっとこの二人も、缶詰食べたがってるでしょう」
「そうですか？ あの食せるものが限られた場で食べたから美味しく感じるのであって、今口にしてもそんな…」
「それ言ったら本人に怒られますよ！」
それもそうですね、と笑ってオスコーブランドの缶詰を口にする晴
その柔らかい肉を噛み締めると、肉汁が滲み出ると同時にあの過酷な山脈での思い出が蘇ってきた
「あの日から丁度一年ですか…早いものですね、時の流れというのは」
「本当に。…きっと、あの山で過ごした日々は良い意味でも悪い意味でも忘れることはできないでしょう」
そう言って目を細め墓石を見つめる睦月に、晴は一言も声をかけることができなかった
それもそうだ、唯一人あの山から意識を保ったまま下山した睦月
そしてこの二人の死に目にもあった睦月は、想像し難い重く苦しい物を背負っているのだろう。
晴は言われずともその事を分かっていた。
自身が意識を取り戻し、二人の死を聞いた時の睦月の表情を見て
睦月が二人の死をどう受け止めているのか、そう長くもない付き合いながらも分かっていた。
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音羽リン(プロフ) - ゆうかさん» そこまで褒めていただけるなんて…もう嬉しすぎます、ありがとうございます！！ (2020年5月7日 21時) (
レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - riiuさん» 嬉しいですありがとうございます…！！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: b323697e9b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 文才ありすぎてもう、なんと言っていいのか分かりません…(語彙喪失中)流石神作者さんです、人物たちの感情が心に刺さりまくりました。痛いです。作ってくださりありがとうございます…。私もこんなお話が書けるようになりたい(小声)更新頑張って下さい！ (2020年5月5日 22時) (レス) id: 8749d17fa2 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - 最高ですねほんとにありがとうございます…… (2020年5月5日 15時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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