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Your side
この前の事件から一週間経った。
あれから一度も神社の入り口を見つけることは出来ていない。
となるとこちらから会いに行くことはできない。
あの日自分の力に気づいてから妖怪を見る目が変わった。
小物ならわざと睨んでみたりしてみると、驚いて逃げていくのだ。
流石に、小物でも近づくことはせず、ある程度の気配を感じたらすぐさま逃げるようにしているけれど。
本当の自分をわかってくれる存在に出会えただけで私はこんなに気持ちを強く持てるんだ…
その日はきっちり定時で仕事を終わらせて、退社した。
この一週間毎日チラチラ見ていた場所に今日も目が行く。
また佐久間さんがいるんじゃないかと期待している自分がいた。
待っていてくれた場所に目をやると、なんと岩本さんがいた。
一瞬見間違えかと思って、びっくりして目を見開いていると、こちらに気づき、ひらひらと手を振ってくれた。
急いで駆け寄る。
A「岩本さん！」
岩「ごめんね、急に来ちゃって。
今日この後時間ある？」
A「大丈夫です。私も話したいことがあって」
岩「そっか。じゃあ行こう。」
並んで歩くと背が高いことが際立つ。
A「あの。この前はありがとうございました。
送っていただいたみたいで。」
岩「ああ、気にしないで。寝ちゃってたからその辺の烏に家聞いちゃった。
それより、手、大丈夫？
結構深く切れてた気がするんだけど」
A「...」
すっと手のひらを見せる。
次の日には綺麗に治った手。傷ひとつ残っていない。
岩「...まじか。」
A「次の日には治ってました。
これが私の妖怪の力みたいです...」
角を曲がると、いつもの鳥居が最初からそこにいたみたいに立っていた。
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作者名：Lagoon | 作成日時：2022年6月13日 0時
