鳥居の先には ページ3
your side
鳥居の先は思ってるよりも長かった。
疲れ切った足で上る階段ほどつらいものはなく、上についたころには息も絶え絶えだった。
息を整え、鳥居をくぐると、石畳の先に神社があった。
こんなところに神社なんてあったんだ。知らなかったな。
見渡してみるが、特に大きな神社でもなく中心にある本殿と左手におみくじとかを売ってそうな建物がある。
神社の本殿へと石畳と灯籠道が続いていた。
月明かりに照らされた神社には、賽銭箱へ続く階段のところに、紫の着物を着た人が座っていた。
こんな時間に人...？
？？「あれー？お客さん？
どうしたの？こんな時間に？」
紫色の着物の男性がにこやかな声で歩いてくる。片手には煙管を持っており、今時珍しいななんて思う。
A「あ、すみません。ちょっと変な人に追いかけられてしまいまして…
もう帰りますので。」
いつもの妖怪に追いかけられた時の言い訳を言い帰ろうとしたのに
？？「んー、そう？もうちょっといたほうがいいと思うけどねぇ。」
A「え？」
風が境内の周りの木々を揺らす。
顔がわかる距離まで紫の着物がやってきた。
？？「お姉さんさぁ…本当に「人間」？」
A「…え？」
声が出ない。
？？「あ、ごめんねぇ。びっくりさせちゃって。
んーお姉さん怪我してるみたいだし、寄っていきなよ。手当てしてあげるからさ。」
一定の距離を開けた紫の着物はそう言ってふわっと笑うとと、また背を向け、さっき座っていた場所まで戻っていく。
？？「ほら、こっち」
A「あ、いや、私…」
今、さっき「人間」？って聞いた、この人？
なんで？。
…ここにいちゃだめな気がする。
このまま振り返って逃げようとした時だった。
？？「わはー！なあに、この匂い！すんげーおいしそう！！」
言葉と共にものすごい風が吹いて、一瞬目を瞑ってしまった。
風がやんで、目を開けた時にはダボっとした黒い服を来たピンクの頭の男性が立って私を見つめていた。
？？「あ！ふっか、ただいま！ねえねえ、この辺めちゃくちゃおいしそうな匂いすんね！！」
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作者名：Lagoon | 作成日時：2022年6月13日 0時
