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Your side
境内へ進む。
近づくたびに歪な塊に体がこわばっているのがわかる。
隣で歩いてくれる阿部さんが心配そうにこちらを覗きこんでくれた。
阿「...本当に大丈夫？」
A「...大丈夫です。ありがとうございます。」
心配そうな阿部さんをお礼を言いつつ、真っ直ぐに妖怪を見据える。
今までは怖かっただけの存在。確かに目の前にすると実際「怖い」。
でも「恐怖」だけではない気持ちがあった。
佐久間「阿部ちゃーん！どうだった？？」
返り血を一滴も浴びてない佐久間さんが駆け寄ってきた。
気づけばさっきの尻尾と耳は消えている。
阿「ん、お疲れ様。いつもありがとね」
佐「えへへー」
阿「さて、ちょっと見るから佐久間は待っててね」
佐「はーい！」
阿部さんが妖怪のそばにしゃがむ。
A「そんなにいつも違うんですか？」
阿「いや？ただここは妖怪の力が強くなるところだから、変化(へんげ)することがよくあってね。あ、変化って妖怪がパワーアップして姿が変わることね。そしたら結界弱まってるのかなーとか色々予測できるの。」
A「なるほど...あ。」
妖怪の体が透けてきて、石畳の柄が透けてみえる。
阿「あ、消えてきたね。なんかね消え方も色々あってさ。こいつは透けていってるけど、粉々になるやつとかそれぞれみたい。
...さ、戻ろっか。異常なしかな。
佐久間お待たせ。帰ろっか」
佐「はーい！」
いいな。
並んで歩く二人背中を見ながら、二人の関係性がうらやましくなった。
？？「動くな」
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作者名：Lagoon | 作成日時：2022年6月13日 0時
