神隠し (ページ12)

今日:13 hit、昨日:12 hit、合計:132,372 hit

・ページ12

your side

A「お待たせしました、佐久間さん。…佐久間さん？」

地面の一点を見つめている佐久間さん。

佐「あ、ごめーん。いこっか！

多分そこまで迎えがきてるからすぐ着くよ。」

A「あの、昨日もそうだったんですけど、あの神社の入り口ってどうなってるんですか....？」

佐「あれ？聞いてない？

あの山はふっかの山だから、ふっかが好きなように入り口を作れるんだよ。

逆を言うと絶対に入り口が見つからないようにもできるんだ。」

A「え、じゃあもしかして歩いて行こうと思ったら、すごく遠いんですか？」

佐「ええ！？歩くの！？

こっからじゃ絶対つかないよ！？」

あはーと言いながら笑う佐久間さん。よく笑う人だ。

佐「てか、佐久間さんじゃなくて、みんなみたいに佐久間とか呼んでよ。

さっくんとかさ！敬語もなし！」

A「え、でも佐久間さん年上ですよね？」

佐「んもーそんなこと言ったら、阿部ちゃん以外みんなものすごーく年上になっちゃうよ。

妖怪の年齢なんてあてにならないんだからさ。」

そんなことを話していたら、道の途中にあの鳥居が見えてきた。

鳥居の下まで着くと、昨日の長い石階段が上へと続いている。

佐「じゃ、俺ちょっと先に行ってみんなに知らせてくるね！

真っすぐ登ってきたら着くからさ！」

言うのと同時に強い風が吹いて、思わず目をつぶった。

目を開くと、佐久間さんの姿はもうなかった。