85話( ・・)ゞ ページ8
翌日の朝。いつの間にか眠っていて、涙のあとが頬にできていた。
まだ覚めない目を擦りながら、上半身を起こした。
なんだか足が痺れている。右足が妙にぴりぴりと電気を通しているように痛い。
A「…あれ、痛い…」
昨日は感覚がなかったのに、痛い。感覚がある。痺れているのがわかる。
すぐさまナースコールを鳴らした。
看護婦さんが飛んできて、「足の感覚がある」というと病室を駆け足で出ていって担当医を連れてきた。
担当医の話によると、右足は回復する可能性があるらしい。感覚が戻ってこない左足はなんとも言えないそうだ。
でも私は嬉しかった。
昨日まではもう足が動かせない、感覚もなくなったという絶望しかなかった。
それが、右足の少しの回復によって希望が見えだした。
小さな可能性だけど、私にとっては大きな希望だった。
急に、軽快な音楽が鳴り出した。私の携帯の着信音だ。
ディスプレイにうつされた文字も見ないまま、私は通話を押す。
A「…はい」
携帯の向こう側にいたのは、以外な相手だった。
及川「おはよう、Aちゃん。」
いつもと同じ声色で、及川さんの声以外に車の走る音が聞こえる。
A「及川さん、なんで電話を…」
及川「Aちゃん、刺されたんだって?聞いたよ」
少し肩がびくりとはねた。確かに、あれだけの事件なら学校中に広まって当然だ。警察まで来た、マスコミが駆けつけるのも時間の問題かもしれない。
もしかしたら、もう取材や問い合わせで学校は大変なことになってるのかも。
A「…学校は、大丈夫なんですか」
及川「今日は急遽休みになったよ。流石に生徒が刺された翌日、元気に登校しましょうって気にはならないからね。」
それはそうだ。私と同じクラスだった人たちは尚更。
及川「そうだ、ひとついいこと教えてあげる」
A「なんですか」
及川さんがいいことなんていっても全くいいことな気がしないんですけどね。
及川「カーテン開いてみて」
その言葉を聞いて、まさかと思った。
カーテンを開き下をのぞき込むと、携帯を耳に当てながら、こちらに笑顔で手を振る及川さんが見えた。
271人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおインコ(プロフ) - あやの♪さん» ありがとうございます!!まさに青春です…。もちろん精一杯楽しみたいと思います!!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年4月8日 7時) (レス) id: 2941e47bdf (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - 高校進学おめでとうございます!青春真っ只中って感じですね(*´∀`*)高校生活楽しんでくださいね! (2017年4月8日 1時) (レス) id: ece222c786 (このIDを非表示/違反報告)
あおインコ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。待っていてくださり本当にありがとうございました。これからまた更新再開しますので、よろしくお願いしますね(*^^*) (2017年3月2日 14時) (レス) id: 2941e47bdf (このIDを非表示/違反報告)
あい - 長文でごめんなさい。 (2017年3月2日 1時) (レス) id: 65300ee319 (このIDを非表示/違反報告)
あい - なんか僕が読んでるやつに更新停止の作品が異様に多いきがしてならないのですが。しかも受験生が多い!とまあ、愚痴はこれぐらいにして早く復帰してくださいね。結構夢主と及川さんの絡みが好きなので!待ってます! (2017年3月2日 1時) (レス) id: 65300ee319 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あおインコ | 作成日時:2016年7月14日 18時