９６話(ﾟAﾟ) ページ24
教室までの道のりがとても長く思える。階段はどこまでも続いていそうだし、足が重くて走りずらい。
「本当に、言うんですか？」
Aちゃんの言葉が頭をよぎる。
わかってる。赤司君が私のことをなんとも思ってないことなんて。
赤司君は真面目だからお父さんの言いつけを守っていて、表面上だけの関係を築いているに過ぎない。だから、私と赤司君は釣り合わない。
教室までの道のりは長いようで短かった。気がつけば目の前に扉があった。鉄格子がはめられて、固く頑丈な錠前が扉を閉ざしているような錯覚。
私と赤司君の間にはそれだけの壁がある。社会という壁。親という枷。
その全てが鉄格子や鎖となってこの扉を閉ざしている。決して開けてはいけない、触れてはいけない。そう、教わってきた。
そっと扉に手をかける。
そこには鉄格子も錠前もない。ただの扉だ。
親という枷に足を取られて、後悔しながら歩むのは嫌だ。私は自分の気持ちに正直にいたい。
「大丈夫、頑張る」
小さな声で自分を落ち着かせる。
これは親や社会への私のささやかな反抗だ。そして自分自身へのけじめ。
一歩。扉を開けて踏み出した。
涼やかな風が私の体をすうっと通り抜ける。
いた。
赤い髪がよく似合う、端正な顔立ちの青年。赤色を含んだ瞳がこちらを向く。
「一条さん？」
少しだけ眉を上げ、驚いたように目を丸くする。
心臓の音が鳴り止まない。先にいるなんて思わなかった。扉を開けるのは緊張したけれど、本人がいると思っていたわけじゃない。
どうしよう。顔赤い。
「あ…えっと…」
上手く喋れない。たった二文字伝えられればいいのに、その二文字が出てこない。
「…あ、赤司君。あのね…！！」
薔薇のような、椿のような。
花の香りが目の前を覆い尽くした。
柔らかい肌の感触が、肩や背中から伝わる。
「…好きだよ。」
私の声じゃない。耳元で呟いた声は、頭の奥まで響いた。
紛れもなく、赤司君の声だった。
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あおインコ(プロフ) - あやの♪さん» ありがとうございます!!まさに青春です…。もちろん精一杯楽しみたいと思います!!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年4月8日 7時) (
レス) id: 2941e47bdf (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - 高校進学おめでとうございます！青春真っ只中って感じですね(*´∀｀*)高校生活楽しんでくださいね！ (2017年4月8日 1時) (レス) id: ece222c786 (このIDを非表示/違反報告)
あおインコ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。待っていてくださり本当にありがとうございました。これからまた更新再開しますので、よろしくお願いしますね(*^^*) (2017年3月2日 14時) (レス) id: 2941e47bdf (このIDを非表示/違反報告)
あい - 長文でごめんなさい。 (2017年3月2日 1時) (レス) id: 65300ee319 (このIDを非表示/違反報告)
あい - なんか僕が読んでるやつに更新停止の作品が異様に多いきがしてならないのですが。しかも受験生が多い！とまあ、愚痴はこれぐらいにして早く復帰してくださいね。結構夢主と及川さんの絡みが好きなので！待ってます！ (2017年3月2日 1時) (レス) id: 65300ee319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおインコ | 作成日時：2016年7月14日 18時
