81話_(・_・ ) ページ3
_______五時間後、現在。
カーテンが風に揺れる。私の髪も、同じように揺れる。
また、同じように私の瞳も揺れ動く。
動揺、または焦り。
目の前にいるその人がはっきりと目に写った時、私は文字通り言葉を失った。
目の前にいたのは、私の兄だった。
黒子「…」
黙ったまま私を見つめている。
A「なんで、ここに…」
兄さんはただ私を見ている。
怖い。嫌だ怖い。なんで、なんで黙っているの。怒ってるの?私が病院に連れてこられたから?そのためにわざわざ宮城まで…?
違う。私のために来るはずがない。
それに、あの人から許可が出なければ来れないはず。まさかあの人が許可を出したんですか。
A「兄さ…」
黒子「A」
思考が追いつかず、動揺している私に対して兄さんは冷静だった。
黒子「僕は、謝らなければいけません」
兄さんは唐突にそんなことを言った。
それから、兄さんは話し始めた。何故ここにいるのか、何故謝らなければいけないのか。
全身の感覚を忘れるくらい、私はその話に聞き入った。
あの日から私たち兄弟は、まるで赤の他人みたいな関係になった。
なるべくしてなった訳では無い、なりたくてなったわけでもない。
ただそれは世間の業というもので、私たち家族の業だった。
私はそう考えていた。
だが違うのだと、兄さんは言った。
黒子「業なんかじゃない。僕達が、悪かったんです。」
黒子「もっとはっきりいえば、父さんが悪かったとも言えます」
目を逸らし、気まずそうに悲しそうに視線を送る。覚悟を決めたように目を閉じ開くと、再び話し始めた。
僕とAの父さんは、ごく普通の会社に務める会社員だった。でもある日、態度も何もかもが変わり、まるで別人のような人格になってしまった。
平凡に幸せに過ぎていた日々が崩れ、父さんには母さんも誰も逆らえなかった。警察に行こうにも取り合ってもらえなかった。頼れる親戚もいない。
途方に暮れ、父さんの恐怖に耐えられなくなった母さんは、一番選んではいけない手段を選んだ。
それは、Aを父さんの標的にすることだった。
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あおインコ(プロフ) - あやの♪さん» ありがとうございます!!まさに青春です…。もちろん精一杯楽しみたいと思います!!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年4月8日 7時) (レス) id: 2941e47bdf (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - 高校進学おめでとうございます!青春真っ只中って感じですね(*´∀`*)高校生活楽しんでくださいね! (2017年4月8日 1時) (レス) id: ece222c786 (このIDを非表示/違反報告)
あおインコ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます。待っていてくださり本当にありがとうございました。これからまた更新再開しますので、よろしくお願いしますね(*^^*) (2017年3月2日 14時) (レス) id: 2941e47bdf (このIDを非表示/違反報告)
あい - 長文でごめんなさい。 (2017年3月2日 1時) (レス) id: 65300ee319 (このIDを非表示/違反報告)
あい - なんか僕が読んでるやつに更新停止の作品が異様に多いきがしてならないのですが。しかも受験生が多い!とまあ、愚痴はこれぐらいにして早く復帰してくださいね。結構夢主と及川さんの絡みが好きなので!待ってます! (2017年3月2日 1時) (レス) id: 65300ee319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおインコ | 作成日時:2016年7月14日 18時