黒子君の双子の妹が青葉城西高校バレー部にやってきました、３。【ハイキュー×黒バス】

９０話m(_ _)m ページ16

時の流れとは早いもので、三週間なんてあっという間だった。








あの後、及川さんとは会っていない。兄さんはその後数回お見舞いに来てくれたけど、学校もあるからと一度神奈川に戻った。









帰り際、兄さんは私に「いつ帰ってきてもいいから」と言い残した。









すぐに帰ることは、今の状況じゃ無理だと思うけど、早いうちに帰った方がいいのかもしれない。









病室で荷物をまとめながら、ベッドの脇に置かれた車椅子を見つめた。









つい昨日言われた医者の言葉が再び聞こえた。









「慣れるまでは車椅子で生活することになるよ。リハビリしながら学校に行くっていう形になるけど、本当に無理になったらお兄さんのところに戻る選択肢もあるからね。」









念のため貰っておいた松葉杖。この三週間で外傷はなんとか回復した。右足も最初の頃よりは痺れが薄くなった。









「戻る…か」








私にとっての戻るという言葉は、賭けでもある。母さんの意識が正常な状態に戻っていたとして、私を受け入れてくれるのか。









「…今日、土曜日か。部活やってるのかな…」









まだ頭の中は整理できていない。不安を感じながらも、私は学校に向かった。









道中、心底思った。車椅子に慣れない、手動の操作型だけど思っていた以上に難しかった。









自分が制服でいることに気がついたのは校門をくぐってからだった。事件が起きた日、ブラウスはダメになってしまったものの、兄さんが変えの服を持ってきてくれた。









相変わらず、左足は動かない。









体育館前、大きな掛け声とボールが床に打ち付けられる音がする。









体育館入口から少し離れたところ、入りずらい。









なんて言って入ればいいのだろうか、どう説明するべきなんだろう。









もし、あの人に会ってしまったら。









うだうだと入るか入らないか、心の中で葛藤していると、体育館側から誰かが出てきた。









急いで壁側に隠れる。








「…なんで隠れてるんだ、私」








単純に怖かったんだろ。なんて思っていると、扉の前あたりでその出てきた人達が話している声が聞こえた。









声の主がわかって、私はその場から消え去りたいと、走れるものなら走って逃げたいと心底思った。









「お前、Aのとこには行ったのか」









そこには、岩泉さんと及川さんがいた。

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