９５話 ページ33
黄海「…」
A「…」
挨拶してから数分。二人は黙り込んでお互いを見つめ合っていた。
それは、いつものふんわりとした視線ではなく、鋭い視線。
最初に口を開いたのは、黄海だった。
黄海「……私は」
黄海「Aちゃんの言ったこと、本心じゃないと思います」
A「……」
Aは、黄海の言葉を何も言わずただじっと聞いていた。
それは反論できないからなのか、それとも、何か理由があるのか
…そうじゃない
黙ってるのは、黄海のその目に、言葉に、声に圧倒されているから。
本気で言ってる
目を見ればそんなのすぐにわかった。
黄海「…私には、Aちゃんの気持ちはわかんないし、心よめるとか、そういう超能力者じゃないけど…」
黄海「でも、バスケやってる時のAちゃん。すごく楽しそうだった」
黄海「…だから、辞めないでほしいんです」
さっきとは打って変わって優しい声。
でもその中には、悲しさという感情も入っていた。
黄海「…Aちゃんのバスケに、魅了されて…Aちゃんくらい上手くなりたいって思って、私は…」
黄海「Aちゃんのおかげでここまで来れたんです」
A「…！」
「Aちゃんのおかげで」そんな言葉、生まれて初めて言われた。
今まで散々、馬鹿女とか言われて、誰にも頼られなくて、褒められたりもしなかった
だからその「Aちゃんのおかげ」って言葉に嬉しくて、心から何かが染み出してくる。
黄海「…だ、から…やめないでください。…バスケ、嫌いじゃないですよね」
途切れ途切れな言葉と共に、黄海の頬を熱いものが流れた。
A「…バスケ…好きだよ…」
苦しかった、
嫌いって言えば楽だったのに
でもやっぱり
私は
A「…っ大好き」
結局バスケが好きなんだ。
涙が出るほどに
苦しいほどに
A「でも…」
好きだけど、
A「辞める…」
心から染み出していた何かが、目から溢れた。
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あおインコ(プロフ) - 嬶さん» ありがとうございます！この作品最後の更新が随分と前なので、コメントが頂けてすごく嬉しいです(^^) (2019年2月15日 21時) (
レス) id: 566ade62bb (このIDを非表示/違反報告)
嬶 - おもしろいし、国見ちゃんが好きです。 (2019年2月8日 11時) (レス) id: 99593e4c9e (このIDを非表示/違反報告)
あおインコ(プロフ) - 飯を求めて三千里さん» あ、ありがとうございます…。そんな、笑わせるななんて、私には無理かも←これからもよろしくです！ (2015年12月29日 9時) (レス) id: 7ba3704a0a (このIDを非表示/違反報告)
飯を求めて三千里 - 何これめっちゃおもしろいのだよ笑わせるな (2015年12月29日 8時) (レス) id: 4ecd63fe5b (このIDを非表示/違反報告)
あおインコ(プロフ) - フクネコさん» ありがとうございます！！すごい嬉しいです…。あ、涙が…いや塩が。 (2015年11月21日 20時) (レス) id: 7ba3704a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおインコ | 作成日時：2015年4月20日 23時
