８４話 ページ19
乾いた音が響いた後、静かになった道。
ジジッ…っと街灯が鳴る。
黄海「馬鹿です！大馬鹿ですッ！」
左手で頬を抑えるAの前に、涙を流しながら叫ぶ黄海がいた。その姿に、Aは目を見開き驚いた。
黄海「自分の、バスケが否定されてっ、自分はいらないって思って、それでやめて…ぅ……それじゃあ、逃げたってことじゃ、ないですかっ
！」
A「っ！…」
嗚咽交じりのその声は、太陽の沈んだ暗い暗い空に、溶けていった。
しばらくして落ち着きを取り戻すと、ゆっくりと喋り出す。
黄海「…………さっき、せのーさんの質問に答えた時、手、握りしめてましたよね…？」
A「……………だったら、なんだよ」
黄海「それに悲しそうな顔してました。だからあの時、Aちゃん、本当はバスケやめたくなかったんじゃないか、やりたいんじゃないか…って」
黄海「…だから、Aちゃんの本心を教えてください、本当にバスケを嫌いになっちゃったのか、それとも…」
A「…………嫌い………こんなスポーツ。大嫌い」
黄海「……っ！…そう、ですか……」
「じゃあ……」そう言って、黄海はその場を去った。でもその言葉に、またね、また明日。そんな言葉は入っていなかった。
ただ単純に。「じゃあ…」
まるでもう話さない。最後の別れのような言い方だった。
カタンッ…
夜の冷たいアスファルトに、松葉杖の倒れる。
そして彼女も、崩れ落ちる。
〜♪〜♪
携帯の着信音が鳴る。画面には『涼太』の文字。
だが、その着信音が止むことはなかった。
_______
____
＿
Aが電話に出ない。
いくら俺を嫌ってたとしても、いや、それはないと思うけど
無視はない。
いつだって出てくれる。面倒でも、忙しくても、いつも…
なのに、なんでだろう
電源切れてる？失くした？
いや、Aに限ってそれは無いはず。
じゃあ…
心配になった俺は、とりあえず及川さんに電話をした。
返事は、『うーん…俺もわかんないなぁ、明日聞いてみるよ』
明日、か
携帯を机の上に置き、布団に潜り込んで、目を瞑った。
嫌な予感がしたから、それを、忘れたかったから
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あおインコ(プロフ) - 嬶さん» ありがとうございます！この作品最後の更新が随分と前なので、コメントが頂けてすごく嬉しいです(^^) (2019年2月15日 21時) (
レス) id: 566ade62bb (このIDを非表示/違反報告)
嬶 - おもしろいし、国見ちゃんが好きです。 (2019年2月8日 11時) (レス) id: 99593e4c9e (このIDを非表示/違反報告)
あおインコ(プロフ) - 飯を求めて三千里さん» あ、ありがとうございます…。そんな、笑わせるななんて、私には無理かも←これからもよろしくです！ (2015年12月29日 9時) (レス) id: 7ba3704a0a (このIDを非表示/違反報告)
飯を求めて三千里 - 何これめっちゃおもしろいのだよ笑わせるな (2015年12月29日 8時) (レス) id: 4ecd63fe5b (このIDを非表示/違反報告)
あおインコ(プロフ) - フクネコさん» ありがとうございます！！すごい嬉しいです…。あ、涙が…いや塩が。 (2015年11月21日 20時) (レス) id: 7ba3704a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおインコ | 作成日時：2015年4月20日 23時
