ある日の献立 筍の煮物 一 ページ7
冨岡side
満月の、奇妙に明るい春の夜。
早足に屋敷に向かいながら、乱雑に止血した右腕に目を落とす。
歩くたびにズキズキと痛むそれは鬼から受けた傷だ。
屋敷の門が見えてくると、もう少しだとさらに足を急かす。
任務が遅くなる時、必ず門の前にいる彼奴は、今日もやっぱり立っていた。
俺を見て目を見開き、慌てて駆け寄ってくる。
『義勇さんっ……お怪我が………』
冨「……お前こそ、もう遅い時間なんだぞ。………外にいては冷える」
形のいい眉を歪めて俺を見つめるA。
『私のことは大丈夫です。それより早く手当てをしましょう!』
怪我をしていない左腕を優しく引っ張られて部屋に連れ込まれる。
腕に巻いた白い布は血に赤く染まっていて、Aは注意深くそれを解いていく。
スッパリと切れた傷を見たAは顔を顰めた。
『痛そうですね………手当てしますね』
冨「ああ、頼む」
丁寧に消毒をして傷薬を塗り、包帯を巻いていく。
初期の頃に比べて随分と手早くなったものだと思いながらAの手元をぼんやりと見つめた。
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よいではないか - 前の鬼殺隊辞めますから冨岡邸のお食事当番。を読みにきたんですけど、どちらも面白いです!更新待っているので頑張ってください!応援してます! (2020年5月11日 21時) (レス) id: d6ad897d41 (このIDを非表示/違反報告)
巴瑠(プロフ) - とっても嬉しいです!( °∀°) 更新頑張ります! (2020年3月7日 21時) (レス) id: 994dc63898 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 巴瑠さんの小説大好きです!前の鬼殺隊、辞めます。も全て見ました!これからも更新頑張ってください♪( ´▽`) (2020年3月6日 23時) (レス) id: 27f1b17986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:巴瑠 | 作成日時:2020年3月6日 10時