気持ちが ページ32
「Aちゃん！」
「先輩、早くないですか？もっと指導室で待ってましょうよ」
「五分待っても来やんだから教室行ったら、香純ちゃんが」
「五分って、気ぃ短すぎです」
本っ当にあっという間に忍足先輩が来てしまった。
流石に早すぎる。
あと十五分は楽しもうとしてた私の予定が。
まだ、傷一つ付いてないのに。
メンタル攻撃だって、まだ先輩を出す程貶めてないし。
「ゆ、侑士様…」
「先輩、私があと十五分くらい喧嘩してから歌舞伎役者っぽく現れてくれませんか？」
「何言うとるの。俺とAちゃんの時間が削られるだけやん。
って、自分エライ余裕やな」
「…だって、たかが女子五人だし(ボソッ」
目の前の女の子たちがガタガタと震えている。
まさに顔面蒼白。
本当はもうちょっと絶望顔にしてからの更なる絶望が欲しかったんだけど。
忍足先輩の気は予想以上に短かった。
「あんたら、何しとったん？」
「そ、それは…」
「まぁ、聞かへんでもわかるけどな。Aちゃんピンピンやけど」
おっかしいなぁ、とばかりに首を傾げる忍足先輩の脛を蹴りたい。
「先輩、卵焼き一個で早すぎたの赦します」
「早すぎってなんや。早くてなんぼやないか」
「物事にはタイミングがあるんですよ」
取り敢えず今日も卵焼きを貰う約束を取り付けて、
先輩に聞こえないように小さく囁く。
「…さぁ、更なる絶望を(ボソッ」
「あんたら、今度Aちゃんに近づいたら、
…―家ごと潰したるわ」
予想以上に重たい台詞だなぁと少し疑問に思いながら、
先輩の服の裾を引っ張った。
「戻りましょうか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
野乃花 - 忍足さん病んでましたね (2015年9月1日 21時) (
レス) id: 3db69e2839 (このIDを非表示/違反報告)
暗空 - だってここ成長しないんだもん。友達に大幅に遅れを取ってさ。私、昔は一番うまかったのに。 (2015年2月12日 11時) (レス) id: 8dd2633076 (このIDを非表示/違反報告)
暗空(プロフ) - 梅さん» ありがとうございますっ。面白いと言ってもらえてうれしいです。 (2015年1月24日 22時) (レス) id: 8dd2633076 (このIDを非表示/違反報告)
梅 - 今日初めて読んだのですが、とても面白かったです！ (2015年1月23日 18時) (レス) id: 934c5ec7cf (このIDを非表示/違反報告)
置物娘(プロフ) - 暗空さん» いいえ(^^)
こちらこそ楽しかったよ♪ (2015年1月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 1ca20cb2e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暗空 | 作成日時：2014年12月20日 22時
