確かな ページ17
「なぁ、ちょっとええ？」
結局、五時間目を丸々サボって六時間目の始めに返ってきた。
先生に変な顔されたけど、何も言われなかった。
と、思いきや。
中等部生徒会の副会長様にお呼び出された。私だけ。
あれか、ギャルじゃ話が通じないって？
美少女香純を悲しませたくないって？
そうですかそうですか上等だ泣かす。
そんな面持ちで、連れて行かれたのは生徒第二指導室。
机と椅子と、あとエアコンと冷蔵庫しかない寂しい部屋だ。
…正直住める。
「自分等、今日昼休み〜六時間目前半までの時間、学校抜け出したんやって？」
「そうですけど、何か」
ふかふかの椅子に腰かけて、副会長様と対面する。
ちなみに副会長様は、男子テニス部Ｒで有名な忍足侑士先輩だ。
文武両道才色兼備、とか変態か。
勉強でも運動でも常人以上の、それこそ全国レベルの成績を叩きだすとか、
もはや自分に苦痛を強いるのが大好きな変態としか思えない。
「おぉ、潔いな。でもそれ、アカン事やってわかってる？」
「もちろん」
一応年上の役職持ちなので、逆らわずに敬語で対応する。
「…ハァ。じゃあなんで抜け出したんや」
「昼飯が足りなくて、じゃあコンビニ行こうって。ついでに遊びました」
「発案者は？」
「自分です。次からは弁当多く持ってきます」
ちゃんと反省のイロも見せる。
長居はしたくない…、と思いきや、
先輩は持っていたショルダーバックから分厚いファイルを取り出した。
手つきが慣れてる。
「えーっと、伊武A。女テニ。委員会は無所属か」
「私のプライバシーは保護されてないのですか？」
「これはこういう仕事なんや。普段はちゃんと厳重に保護されとるで」
忍足先輩の指が、私の個人情報の上をなぞっていく。
この人の頭の中に、何人の生徒のプライバシーが入っているのだろうか。
「おっ、すごいな。生活態度に丸が一個もない」
「余計なお世話です」
「気配り×、責任感×、協調性×…、よくこれでダブルス出来んな」
「パートナーが優秀なんです」
ちょっとだけ見栄を張る。
香純は美少女なだけじゃなく、気も効くのだとパートナー自慢。
忍足先輩のパートナーの向日先輩なんて、ただ跳べるだけじゃないですかとドヤ顔。
…口には出さないけど、上っ面の声に最大限詰め込む。
「しかも、うわー。授業態度で全部成績落としとるタイプやん。
オール８０点以上とか天才か」
「遠回しに自分褒めてません？」
この天才が。
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野乃花 - 忍足さん病んでましたね (2015年9月1日 21時) (
レス) id: 3db69e2839 (このIDを非表示/違反報告)
暗空 - だってここ成長しないんだもん。友達に大幅に遅れを取ってさ。私、昔は一番うまかったのに。 (2015年2月12日 11時) (レス) id: 8dd2633076 (このIDを非表示/違反報告)
暗空(プロフ) - 梅さん» ありがとうございますっ。面白いと言ってもらえてうれしいです。 (2015年1月24日 22時) (レス) id: 8dd2633076 (このIDを非表示/違反報告)
梅 - 今日初めて読んだのですが、とても面白かったです！ (2015年1月23日 18時) (レス) id: 934c5ec7cf (このIDを非表示/違反報告)
置物娘(プロフ) - 暗空さん» いいえ(^^)
こちらこそ楽しかったよ♪ (2015年1月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 1ca20cb2e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暗空 | 作成日時：2014年12月20日 22時
