Bitter Sweet Love~苦くて甘い恋の味~

Diary20 ページ22

諏「それで、Aちゃんの容態は？」

寺島「それはまだなんとも…でも…」

寺島は少し口篭り言いずらそうに口を開いた

寺島「ずっと…名前呼んでたんだ…
譫言(うわごと)で諏訪部さんって…」

諏「っ！！！」

寺島「諏訪部さん、Aちゃんと何があったかは分からないけどAちゃん…ほんとに寂しそうだったよ、もう何日も何も食べてないみたいだった…だから…」

諏「もう…それ以上…何も言わないでよ、寺島…」

寺島「諏訪部さん…」

諏「ごめん、アフレコ始まるから…」

寺島「病院、行ってあげないの？」

諏「っ！」


ｷｨｨｰ…ﾊﾟﾀﾝ


寺島side

最近Aちゃんの様子がおかしい
顔色が悪くて頻繁に立ちくらみを起こしているみたい

寺島「Aちゃん大丈夫？少し休む？」

『ありがとうございます！これくらいヘッチャラです』ﾆｺｯ

心配をかけまいとしてか、いつも通り明るく振る舞おうとしている…

寺島「ねぇAちゃん！今日仕事の後空いてる？美味しいケーキ屋さん見つけたから食べに行こうよ！」

『あ…ごめんなさい、最近あまり食欲がなくて…』

寺島「え、そうなの？大丈夫…？」

『ちょっと疲れてるだけだと思います、折角誘ってくれたのにごめんなさい』ﾍﾟｺ

寺島「全然！気にしないで！体調良くなったら一緒に行こうね！」

『はい！楽しみにしてますね！』ﾆｺｯ

あの時に気づいてあげるべきだったんだ

いや…本当は気づいてたのかもしれない
気付かないふりをしていたのかもしれない

Aちゃんの諏訪部さんを見る目がとても悲しそうで、寂しそうで

Aちゃんがこうなってしまったのもきっと彼が関係しているんだろう

羨ましいな、諏訪部さん…
Aちゃんにこんなに思ってもらえるなんて…

それと同時に彼のことが理解出来なかった
諏訪部さんもAちゃんを好きなはずなの
に

どうして避けたりするの？
どうして傷つけたりするの？

俺なら…Aちゃんを傷つけたりしないのに…


今日、Aちゃんが倒れた
Aちゃんの顔はほんとに真っ青で…

内田さんが病院に付き添って救急車に乗って行ってくれる。
俺はすぐ隣のスタジオに居る諏訪部さんの所に向かった

寺島「諏訪部さん！！居る！？」

諏「てらしーおはよう、どしたのそんなに慌てて」

台本を片手に呑気に返事をする諏訪部さん

寺島「Aちゃんが倒れた…」

俺がそう伝えると諏訪部さんの顔色が変わった

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