危ない蜜３【歌い手短編小説】

白と青の吸血鬼 : after the rain★※８ ページ45

『はっ、はぁ…
もう、いや……っ』




「…いや？こんなに
気持ち良さそうしてるのに？」





「正直に言えよ
実はお前も楽しんでんだろ」







あれからかれこれ

一時間は経っただろうか。



１度休憩の入ったあれから、

ずっとぶっ通しで
行為が続けられている。




それも貧血にならないように

ゆっくりゆっくり
時間をかけて吸われて。





あの強い快楽に一時間も蝕まれて

もう理性なんてほとんど無い。



いや、分からない


もしかしたら
一時間じゃないかもしれない。


時間なんて、分からないくらい



頭の中はぐちゃぐちゃ。





「ほら、A
もっと吸ってください、は？」




「正直に言ったら
俺達も本気でしてやるよ」





『っ……！』






ダメだよ、待って


ここで屈伏したら、もう私は…




絶対に、戻れなくなる


この二人の悪魔に、堕ちてしまう。





だめ、だめなの


だめ…だけど……






『っもっと…吸って、下さい……っ』






もう、止められなんかしない。







「ふふ、良い子」





「…ご褒美、あげないとな？」





『ん、ふぁ…んっ…！』






次はまふさんが血を吸って


そらるさんが私の唇に吸い付く。






血を吸うじゅるじゅるという音と

チュクチュクという水音が


頭の中に大きく響いて

私の脳内を甘い毒が支配していく。



ねっとりした舌使いに


ゴクッと美味しそうに音を鳴らす喉。




頭がふわふわして
どこかに行ってしまいそう。





「…まだまだこれからだからな？」





「ようやく見付けた、僕達のお姫様」









「絶対逃がさない。」









今日から私は

貴方達の大事な


お姫様。





飢えた吸血鬼の、餌になる



甘い真っ赤なお姫様。








END




――――――――

短編ってかもう中編

つい火がついてしまった

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