奇病者施設 : そらりぶ○☆４ ページ30
「ねぇ」
『……』
「どういうこと」
『……』
「っ、答えろよ！！」
重い空気。
二人の冷たい視線。
叫ばれても、私は
声を出すことが出来なかった。
唇が、動かない
「…俺達さ、どんなに馬鹿でも
さすがに分かるよ」
「人事異動…って、Aが
他の所に行っちゃうって事でしょ？」
そんなに悲しそうな目をしないで
そんなに悲痛な声を上げないで
『…うん』
「…Aは、それでいいの」
やっと出た言葉は二文字だけで。
それでもそらるさんは
私をキツく睨む。
耐えられなくなって、私は俯いた。
また、何も言えない。
私の弱虫。
「……あぁ、そうだよね
僕達、普通じゃないもんな
本当はいちゃいけないんだよな
そりゃAも離れた方が良いよね」
『ち…が……』
ほら、まただ
あんなにりぶが悲しそうな顔してるのに
何も言葉が出ない。
声が出ないんじゃないのか
かける言葉が、見当たらない。
ダンッ！！
ただ俯くだけの私に
そらるさんが壁を思いっきり殴る。
傷が付いたそこには
氷がまとわりついていた。
「何が…っ、何が違うんだよ」
でも、本当に違うの
「さっき何もないって言ったよな？
あれ嘘なわけ？」
違う、心配かけたくなかったの
「俺達に黙って、
どこかに行こうとしてたんだろ？」
『っ違う！！』
見たことない程感情的になるそらるに
私も思わず叫んでしまう
目を見開く二人。
だけどいつもの穏やかな私なんて
今はもういなくて
止まらなかった。
『私だって…っ
私だって二人と居たいよ！
好きでこんな事になった訳じゃない！
離れるなんて…っやだよ！！』
溢れる言葉と涙。
もう今自分がどんな顔をしていようが
どうでもよかった。
自分が何を言っているのかも、
良く分からない。
「っ……A」
『……んっ！？』
いきなり顎を持ち上げられると
降ってくる唇
これは…りぶの物？
りぶ特有の甘い匂いで、
それが分かった。
柔らかくて、暖かくて、気持ちいい。
「ごめん、僕達も同じ
Aの事、好きなんだ俺達。
その…恋愛的に」
『え…』
驚いたけど、嬉しかった
私も大好きだから。
「…逃げよ？一緒に」
差し伸べられたそらるの手を掴む時
私は初めて、自由になれた。
END
birthday voice : まふまふ☆〔菜々丸さんリク〕→←奇病者施設 : そらりぶ○☆３
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日菜多(プロフ) - まふまふさんの身長のお話、178−148＝30ですよ((ｺｿｯ (2020年2月25日 23時) (
レス) id: 679cbd91ae (このIDを非表示/違反報告)
らお。(プロフ) - リクエストさせて頂きたいです。Souさんの、ヤンデレ、激甘、Rスレスレで、読ませて頂きたいです (2018年8月17日 10時) (レス) id: 61cd4351e7 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - リクエスト失礼します。Souくんの話を読ませて頂きたいです！ (2018年8月16日 11時) (レス) id: 61cd4351e7 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ - 失礼します！凄く面白くて夢中になって読んでましたwあ、進撃の小人と巨人のまふくんのセリフの身長間違ってました！お節介かもしれませんが… (2017年12月6日 22時) (レス) id: 9e164e5257 (このIDを非表示/違反報告)
む犬 - ありがとうございます！またリクエストします！ (2017年10月9日 13時) (レス) id: f250e10484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サテラ | 作成日時：2017年8月27日 3時
