彼女の看病 : 夏代孝明☆〔ゆきんこさんリク〕 ページ23
「うっ…ゲホゲホッ！」
『あらあらもう…大丈夫？』
口元を抑えて
ベッドの上で
苦しそうに咳き込む俺に
彼女が心配そうに
俺の背中をさすってくれる。
あぁ、安心するな
Aの小さくも、優しい手。
彼女のお陰で身体はともかく
心は休まるような気がした。
ぼーっとしていると
脇の下から
ピピピッと機械音を鳴らす体温計。
Aは、俺の服から
それを抜き取った。
『８度３分……
下がってないね…』
そう悲しそうにしては
俺の頭や頬をゆっくりと撫でる。
なんで俺が風邪なのに
Aの方が悲しそうなんだよ
それにしてもAの手、
冷たくて気持ちいいなぁ
『苦しい？お腹すいた？
そういえば薬飲んだっけ？
あぁ、それよりひえぴただよね』
おろおろと俺の部屋を
行ったり来たりする彼女に
思わず少し吹き出した。
「そんなに慌てなくても、
寝てれば治るから大丈夫だよ」
ぜぇぜぇと荒い呼吸で
やっとの事で声を絞り出す。
余計心配かけちゃったかな
『だめだよ…
薬も飲んでないでしょ？』
「く、薬は…ちょっと、ね」
彼女の言葉に肩を震わせて
目を泳がせるが、
わざとらしいかと
気付いたときにはもう遅く
感の良い彼女は
俺の事を怪しげに見ていた。
『もしかして……
苦手なの？薬』
「うっ…」
いや、別に…
別に嫌いって訳じゃないよ？
ただその…
あの苦いやつがちょっと苦手なだけで。
カプセルみたいなの
飲み込むのがちょっと苦手なだけで。
飲めない訳ではない。…多分
『はぁもう…
そんな事だろうと思った
ちゃんと飲まなきゃだめだよ？
はいこれ』
「うわぁ……」
彼女が差し出してきたのは
袋の中に入った白い錠剤と水。
露骨に嫌な顔をして見せるが、
いつも優しい彼女も
今回ばかりは見逃してくれないようだ。
『ほら、早く！』
「わ、分かったよ…」
恐る恐るプチッと
錠剤を一粒取り出して
掌に乗せてみる。
なんだよこの白いの。
もうやだなにこれ
口に近付けてみる。
やっぱ気持ち悪い。
くっ…飲むしかないか…
俺は仕方なく腹をくくった。
「っ……」
そして、苦いのを我慢して
頑張って飲むはずだった。
だけど
その錠剤は
俺の喉を通る事はなく
ゆっくりと下へ落ちていった。
あれ、落ちたのはもしかして
俺の方？
彼女の看病 : 夏代孝明☆２→←無気力社長とからくり秘書 : そらる★３
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日菜多(プロフ) - まふまふさんの身長のお話、178−148＝30ですよ((ｺｿｯ (2020年2月25日 23時) (
レス) id: 679cbd91ae (このIDを非表示/違反報告)
らお。(プロフ) - リクエストさせて頂きたいです。Souさんの、ヤンデレ、激甘、Rスレスレで、読ませて頂きたいです (2018年8月17日 10時) (レス) id: 61cd4351e7 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - リクエスト失礼します。Souくんの話を読ませて頂きたいです！ (2018年8月16日 11時) (レス) id: 61cd4351e7 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ - 失礼します！凄く面白くて夢中になって読んでましたwあ、進撃の小人と巨人のまふくんのセリフの身長間違ってました！お節介かもしれませんが… (2017年12月6日 22時) (レス) id: 9e164e5257 (このIDを非表示/違反報告)
む犬 - ありがとうございます！またリクエストします！ (2017年10月9日 13時) (レス) id: f250e10484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サテラ | 作成日時：2017年8月27日 3時
