危ない蜜２【歌い手短編小説】

君だけの特権 : そらる★※〔リク〕 ページ8

「皆今日は
ありがとうございましたー！」




疲れて気だるそうにも
声を張ってそう言うと、会場がわあっと歓声をあげる。




「今日は僕らも楽しかったです！
また会いましょうね！！

本当にありがとうございました！！」








会場からの拍手と

俺達の名前を呼ぶ声




様々な声が飛び交う中、
俺達は最後まで手を振りながら舞台裏に戻った。









・








「ふー楽しかったですね！」




「疲れたー」







動きすぎて額には汗が滲み、
シャツがべったり張り付いていた。


チラリと横を見ると

まふまふもそれは同じのようで。


「あっつー…」と良いながら、
シャツをもってパタパタしてた






叫んで痛くなった喉に
冷たい水を流し込む。









after the rainの
ツアーもこの大阪公演で最後か…


楽しかったけど疲れたし、

長かったような短かったような…
複雑な気持ち。








でもこれで




「ふぅ…そらるさんお疲れ様でした！」



「おーお疲れ」



「これでまた引きこもり生活に戻るー！」



「それって良いのか…w」



「そらるさんもじゃないで……
あ、違うか良いですよねーそらるさんは。

帰ったら
“カワイイ彼女”

が待ってるんですから」




“カワイイ彼女”を皮肉っぽく主張して
言うまふまふ。





でもこれで、また愛しい彼女との
時間が増える。






「まぁねー良いだろ」



「べ、別に？
僕だって彼女くらいすぐ作れますけど？」



「はいはいw」





焦りすぎて得意な口笛も鳴らせていないまふまふを軽くあしらって、会場を出る。









早く彼女に会いたくて堪らない気持ちを
早足に隠して……。

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