危ない蜜２【歌い手短編小説】

花嫁争奪戦 : うらさかそらまふ天☆３ ページ46

「おーい
天月くん、抜け駆けはずるいよ」




少し高い声が聞こえて

振り向くと、そこには息を切らせた
まふ王子。



天月さんはまふさんを見ると

不機嫌そうに項垂れた。




「あーもうっ！
すーぐみんな邪魔する！」




「邪魔しねーと邪魔されるだろ」




頭をかきながら出てきたのは

普段は眠そうな目を光らせたそらるさん。




「絶対俺の物にするって決めた。」




「そういえばうらさんだって
Aの事逃がしてたじゃん。」




「…渡してもらおうか」





「無視？」






そしてうらさんと
さかたさん。




全員集合だ…








「俺のだよ！」




「いや、俺の」




「僕のだよ？」




「いーや、僕の！」





「もー、めんどくさいのがぞろぞろと…」






取り合いを始めるみんなに

頭を抱える天月王子。



そしてそんな彼とバチッと目が合うと

天月さんはこちらを見て
ニヤリと笑みを浮かべた。





「さっさと終わらしちゃおっか」
　



『え…？や、やっ…！』





今にも唇を奪われそうな勢いで
迫ってくるものだから


私は急いでドレスの裾を捲り上げて

反対方向に走り出す。







「あっ、逃げた！！」




「ちょっと待って！」






私の逃走に気付いた王子達は


わあわあと言い合いながら
私を追ってくる。







あぁ、きっとこれは

結果が出ないと終わらない。




いや、終われない。








まだまだ続く





花嫁争奪戦。









END









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サテラより

夏祭りの夜 : そらる★※〔みゅうりんさんリク〕→←花嫁争奪戦 : うらさかそらまふ天☆２

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