危ない蜜２【歌い手短編小説】

オメガバース : 志麻★２ ページ33

「はい…
すみません、本当…申し訳ございません…
私の責任です…すみません」





電話越しから
すごい声で怒鳴られて


私はただ謝る。





最後にまた暴言を浴びせられると


乱暴に電話を切られた。








切られた電話をしばらく見つめると


私は携帯をソファに投げて

ベッドに倒れ込んだ。








最近忙しくて


すっかり発 情制御剤を
飲むのを忘れていた。





『はぁ………』






今まで飲み忘れた事なんて無かったのに




最悪だ。






『っ……』





するとまた身体が疼く。


こんなの高校生以来だ。






高校生で初めての発 情期が来て…

身体の変化に気付かなくって
そのまま学校に行ったら




クラスの男子全員から襲われかけた。




怖くて怖くて

必死にもがいてても
男の力には勝てなくて。




諦めかけてた時に…



唯一、幼馴染みの志麻が助けてくれた。








あの時の恐怖は今でも忘れられない。









親からは


私はΩの中でもフェロモンがとても強い方

だと言われた。

まぁ、かつて私を守ると言った親は
もう他界しているのだけれど。







それからと言うものの


私は発 情期が近付くと
欠かさずちゃんと薬を飲むようになった。






なのに…飲み忘れるなんて……








『なんで…Ωなんかに
生まれて来ちゃったんだろう』







私は涙でベッドを濡らしながら


身体の昂りを押さえるように

泣き疲れて


眠りに付いた。

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