危ない蜜２【歌い手短編小説】

束縛の鎖 : after the rain●〔一松カワイイさんリク〕 ページ30

朝、目が覚めると





いつもと同じ天井が広がってて


時計やテーブル位しか家具のない

生活感の無い部屋を見渡す。





私は朝の肌寒い空気を

乱れた布団を被って遮断した。







まだ眠っていたい








そう思うのもいつもの事。









そして









・









・









今日も私は







鎖に繋がれている。









チャリ…








『………』







絶対に離さないと言わんばかりに

少しでも動くと自らの音を鳴らす鎖を




私は静かに睨んだ。



ふと鎖の奥にあった時計を覗いてみる。








夜の9時、か



もう長いこと外に出ていないからか

生活習慣がおかしくなりすぎてる。







そろそろ“アノ人達”が帰ってくる









ガチャン…キィ……









部屋の奥の方から

重い鉄の扉が開く音がした。







ほらね、帰ってきた。









「ただいま」






「良い子にしてた？」









私の自由を奪い、


永久に途切れる事の無い

愛情を与えてくれた





愛しくて憎い









そらるさんと





まふまふさん。

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