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感情の裏表 : そらる2○ ページ11

『あ、そらる!』




「おー」






俺の姿に気付くと手を振って
いつもの眩しい笑顔を向けてくれるA






『良く起きれたね!私が起こすときは
ぜんっぜん起きなかった癖に!!』





ちょっと不機嫌になってしまった。


なんだよ。
起きたら起きたで不機嫌になって





もうそろそろ、か。







引っ越しのトラックが

Aの家の荷物をせっせと
運んでいるのが、それを実感させた。







『あ、ねぇ!ちょっと話せない?』




「え?」




『早く早く!』




「え、ちょっ」








いきなりの事に戸惑う俺の手を
グイグイと引っ張って、

楽しそうに走っていくA。



全く、いつまでたっても子供みたいだな。







そう言う俺も
実は顔が綻んでいたなんて知らない。





























『はー、ついた!』




自分で走り出した癖に、

Aはぜえぜえと
苦しそうに息切れをする。




昔と全然変わってないな。

体力付けろよ。





「ここって……」





『そ!昔良く来てた公園だよ!』






懐かしいなぁ……


そう言いながら、ストンと
ブランコに腰を落とすA。



座るのはいつも同じ

右から二番目のAだけの特等席。






俺の席は、君の隣の右から三番目。

俺にとっての特等席。









『楽しかったね今まで』





「…うん」







『小学校の時、いつもここで
遅くまで遊んで怒られてたよね』







「うん」








んで毎日遊んでは
そうやって怒られるくせに、

懲りずに遅くまで遊んだよな。






『中学生の時は、
私が親と喧嘩して、家出したとき
いっつもこの公園に呼び出してたよね』





「…そうだったね」







それで結局俺ん家に泊まっては
自分から家に帰って

俺と一緒に謝りに行ったっけ。






『高校、そらるに受験勉強
手伝ってもらって、入れたよね』




「それはお前も頑張ったからだろ」






徹夜で勉強してたの、知ってるよ?






『そらる』





「ん?」









『せっかく高校入れたのに



転校になっちゃって、ごめんね』









君がそう悲しく笑った瞬間






その儚い美しさを引き立てるように









風が木々を揺らした。

感情の裏表 : そらる3○→←感情の裏表 : そらる○〔たまるあさんリク〕



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あやのり - 待って間違えて2回送っちゃったw (2019年10月23日 21時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
あやのり - R多くて嬉しいです← (2019年10月23日 21時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
あやのり - R多くて嬉しいです← (2019年10月23日 21時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
夜半の月 - ↓(補足)これからもがんばってください!すごく楽しみです!応援してます! (2018年7月29日 21時) (レス) id: c8e039902c (このIDを非表示/違反報告)
夜半の月 - すごくよかったです!((語彙力なしか!ww)←これ自分のことね!)アンさんすごく好きなので、うれしかったです!次は、詩人さん、クプラさん、みゅさん(ショタコンだけどww)の激甘よろしくです!楽しみにしてます!もちろん、アンさんのもよろしくです! (2018年7月29日 21時) (レス) id: c8e039902c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サテラ | 作成日時:2017年7月23日 19時

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