暑苦しいね.1＊南雲晴矢 ページ19
夏の終わりが近づいている。
あんなに太陽と見つめあっていた向日葵も萎んで項垂れてしまった。
私は暑さにやられそうだけれど、夏のように暑苦しい君は、まだまだ元気そうだ。
真っ赤な髪が、夕陽に煌めいている。
「あああああああ！！！課題！！終わってねぇ！！」
お日さま園の共有スペースである和室で頭を掻き回して騒いでいるのは、私がよく口喧嘩をする南雲晴矢。
じわじわじとじととする暑さの中、良くも飽きずに叫べるものだ。
風介とアイスを齧りながら、クーラーの着いた部屋へ急いだ。
ポッキンアイスを咥え、片手にカップアイスをもって裸足で廊下を歩く。ぺたぺたと二人分の足音が鳴った。
ポッキンアイスを食べ終わり、2人でカップアイスを開けようとした時だった。
すぱーんと引き戸が開いて
「どっちか俺に課題を見せろ！！！」
と晴矢が騒ぎ出す。
「『暑苦しい』」
そう2人で返すと
「ふっ…そう言うと思ったよ…アイス１個、いや2個でどうだ？」
ニヤリと指を立ててこれで断る理由はないと言わんばかりにドヤ顔をするそいつの顔があった。風介はスプーンを口に入れたまま、私は口に運ぼうとしている途中でピタリと動きを止めた。
私達はアイスが好きだ。そりゃあもう。
けれど、アイス2個で課題を見せるほど優しくはない…優しくはないのだが…
(どうする…魅力的だぞ？)
(でもいつものパターンだとアイスの個数が…)
お互いにアイコンタクトをとって晴矢の方を見ると、玲名がヒヤリとした目で晴矢を一瞥して去っていった。
「やだね」
べ、と舌を出してアイスを食べ始める風介。
「…Aは？」
『えー…』
「アイス3個」
『うーん…』
「星宮亭のかき氷…」
『のった！』
「よっしゃ！！！」
星宮亭のかき氷はシロップが自家製で、フルーツを使っているから非常に美味しいのだ。
ただの氷じゃないのもポイントのひとつ。
「じゃあ数学見せろ！！」
『アイス食べ終わったらね〜』
晴矢のバカ騒ぎに付き合っていたら少し溶けてしまった。
溶け始めたところから食べていくのも美味しいからいいのだけれど。
ちょうど食べ終わったところで、先に食べ切っていた風介がアイスのカップとスプーンを片付けてくれた。
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ぴー(プロフ) - ありがとうございます！ (2018年11月6日 22時) (
レス) id: e7c4929f27 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - ぴーさん» 了解しました。どう掲載するか等検討致しますので、しばらくお待ちいただけると幸いです。 (2018年11月6日 20時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴー(プロフ) - 名前のない夏の綱海sideがみたいです！お願いします！ (2018年11月5日 18時) (レス) id: e7c4929f27 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - 宮さん» 読者の皆様にどう思われているか心配でしたので、そう言って頂けてとても有難いです。これからもよろしくお願いします。 (2018年8月29日 16時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
宮 - 解説の基山ヒロトの解釈がとっても合っていました。基山ヒロトは基山ヒロトなんですよね…！凄くわかります！他のお話も凄く素敵でした。きらきらと美しくて、まるで夢を見ていたようでした。素敵なお話をありがとうございます！ (2018年8月29日 10時) (レス) id: d974ddd08e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2018年7月9日 20時
