Day.34 ページ36
ああ、やっと少しは話になるのか。そう思った時だった。先輩は財布を部室に忘れたらしく、秋先輩に目で助けを求めるものの、ハテナを浮かべたあとに的外れな返しをされていた
「大丈夫。部室ちゃんと鍵かけてきたから」
「そういう問題じゃなくて…注文…取り消し…」
土門先輩は呆れて手を頭に置き、風丸先輩と兄さんはやれやれとでも言いたげな顔をする。怒った店主は、ぽいぽいっとみんなを外へ放り投げた
「でてけ〜！！」
カウンターに近い人から順に投げられていく。ちょうど扉の前にいた私は、兄さんに腕を引っ張られ外へと飛ばされていくみんなとぶつかるのを回避した
マネージャー2人を最後に男子の上へ投げるあたり、まあ優しいらしい
「壁山！」
ぼ、みょーんと風丸先輩の出したパスが壁山くんにあたって跳ねる。このままだと負けは確実だ、とやる気が出ないそうだ
「こらー！壁山ー！！」
「どうしたんだシャキッとしろよ！」
「壁山！」
「俺たち…負けっすよ…」
どんなに練習しても監督がいなけりゃ意味が無い。それは当然のことで、これでは始めた時と同じだと思うけれど円堂先輩が壁山くんを励まし、いつもより絡みにくいと笑いを起こしていた
「鬼道さん…」
橋の上に、帝国の鬼道がいた。何をしに来たのか、みんな怪しみはじめる。春奈が1人、みんなとはちがう不安を抱えているように見えた
円堂先輩が話に堤防へ登って行く。一瞬口論になったようだけれど、喧嘩にはならずにすんだようだ
『…春奈？』
「なあに？」
『帝国のあの人となんかあったの？』
「ううん、なんにもないよ。うん、なんにも…」
『そっか…いつでも相談してね』
「ふふ、ありがと」
バインダーを抱えたまま橋を見て立ち尽くす春奈に声をかけると、何かをはぐらかし、自分に言い聞かせるかのような返事をされた
後ろでは、和気あいあいと話すみんながいる
後日、規約なんてきらーい！と屋上から叫ぶ秋先輩の声が聞こえたような気がした
その日は部活はなくて、商店街によって帰ろうとする私の目の前をパタパタと走っていく円堂先輩。何をしに行くのか知ったこっちゃないが、先輩のことだ。監督を探しに行ったのだろう
そのまた翌日のこと
「新監督だ！」
そう言って連れてきた人は店主だった
「響木正剛だ。よろしく頼む。さあ、決勝戦はもうすぐだ。お前ら全員鍛えてやる！」
やっぱり、円堂先輩に根負けしたのだろう
改めて暑苦しい人だと思った
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透(プロフ) - いふれんさん» ご指摘ありがとうございます。訂正させて頂きました。 (2018年7月16日 11時) (
レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
いふれん - 初めまして、少しだけ意味の違うところがありますので注意をしにきました、兄弟じゃなくて兄妹では？ (2018年7月16日 11時) (レス) id: ec36259cc9 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - ☆リズ★さん» そうなんですね！また時間がある時にゆっくり読ませていただきます！ (2018年7月3日 20時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
☆リズ★ - 透さん» いえいえ! 私もイナズマイレブンの作品を書いてます。 作者様、良かったら読みに来てください。 突然、すみません… (2018年7月2日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - ☆リズ★さん» コメントありがとうございます。私自身とても気まぐれな人間なのでそう言っていただけるととても嬉しいです。頑張らせていただきます！ (2018年7月2日 22時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2018年6月22日 0時
