Day.20 ページ22
辺りからは、大きな歓声が聞こえる。
「観客がいっぱいだ！本当にFFが始まるんだな…燃えてきた！応援に来てくれた人達の為にも頑張ろうぜ！！」
「って、全部野生中の応援だろ？」
「ずるっ」
「俺たち弱小サッカー部の応援なんているわけ…」
「いるんだよ！ほら！！」
円堂先輩の指し示す先には、どこかで見たことのあるような背格好の男の子だった。
「さ、さく？！」
「兄ちゃーん！あれが俺の兄ちゃんだ！」
どうやら壁山君の弟のようで、わいわいとはやし立てる弟君たちから逃げるようにトイレへ逃げ込もうとしている。
先輩方が止めたけれど、壁山君はいったい、弟君に何を吹き込んだんだか。
FF地区予選、1回戦。
青ざめる壁山君をよそに、どこからか出てきた将棋部の男子が実況を始めていた。
試合開始。
野生中の監督が雄叫びをあげる。
こんなヤツらに負けるのはプライドが許さないと言わんばかりに染岡先輩が飛び出す。
ボールはそのまま兄さんへ。ファイヤートルネードの体勢になるものの、相手選手がそれより高く飛び上がり上から抑え込まれる。
高い、そして早い。運動能力は数段上のようだ。技でゴールへとボールが押し込まれる。
「豪炎寺！！」
囲まれた兄さんから染岡先輩へパスを出す。
「ドラゴンクラッシュ！！」
空中戦がダメなら、陸で。そう思ったのだろう。だが、先輩の技は呆気なく飛ばされてしまった。先輩ごと、柵へ。
土煙が晴れると、足を押さえている先輩の姿があった。足を捻ってしまったようだ。
「足を捻ってる…試合は無理だわ」
「選手交代しかないか」
チャンスをあげるよ、と土門先輩に交代を譲るメガネ先輩。ああ、びびったんですね。
そう言いたかったけれど、まあ初心者だから仕方ないか。
私も出来るなら試合に出たい。けれど、女子だからなあ…そう思いつつ。土門先輩の軽いアップに付き合った。
試合再開。土門先輩はDFへそして壁山君がFWへ。上がってくる相手チームへ真っ先に仕掛けたのは土門先輩だった。
「キラースライド！」
『「…！！」』
どこかで見た事のある技だ。いや、どこかでも何もあれは帝国の技だろう。兄さんも気づいたのか少し険しい顔をしている。
土門先輩からのパスをうけ、イナズマ落としの体勢に入る。相手のジャンプ力はもう確認済み。2弾ジャンプなら飛び越えられるだろう。そう確信した。したのに、壁山君が下を見てしまい、失敗に終わる。
また相手が攻め上がり、奪い返し、失敗を繰り返す。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
透(プロフ) - いふれんさん» ご指摘ありがとうございます。訂正させて頂きました。 (2018年7月16日 11時) (
レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
いふれん - 初めまして、少しだけ意味の違うところがありますので注意をしにきました、兄弟じゃなくて兄妹では？ (2018年7月16日 11時) (レス) id: ec36259cc9 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - ☆リズ★さん» そうなんですね！また時間がある時にゆっくり読ませていただきます！ (2018年7月3日 20時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
☆リズ★ - 透さん» いえいえ! 私もイナズマイレブンの作品を書いてます。 作者様、良かったら読みに来てください。 突然、すみません… (2018年7月2日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - ☆リズ★さん» コメントありがとうございます。私自身とても気まぐれな人間なのでそう言っていただけるととても嬉しいです。頑張らせていただきます！ (2018年7月2日 22時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：透 | 作成日時：2018年6月22日 0時
