Day.19 ページ21
さあ、いよいよイナズマ落としの特訓だというのに、踏み台になるはずの壁山君が下を見てビビってしまったため、第一回目は失敗に終わった。
どうやら、高いところが苦手らしい。兄さんが肩をふむはずなのに、頭を踏んでしまっていた。痛そうだ
2回目も、失敗。どうしても下が気になるようで、見てしまうらしい。わかる、怖いものはどうしても克服しにくいんだ。
「あらあら、こんな状態で次の試合大丈夫なのかしら？」
『夏未先輩…』
「せっかく秘伝書を見つけてあげたのに、この様子では無駄になりそうね」
「なにっ！」
「誰になにを言われたって豪炎寺と壁山はイナズマ落としを完成させるってオレは信じてる。そして、絶対試合に勝つ！」
「そう、試合が楽しみね」
夏未先輩が颯爽と去っていくのを見送ると、壁山君が弱音をはこうとするのを遮り
「大丈夫だ、高さを克服できるように特訓してやるから」
そう声をかけていた。簡単に克服出来たら誰も困らないのだけれど。
あれやこれやと試すけれど、80センチでもう怖いそうだ。もう少し頑張ってみる！と壁山君が意気込んだところで、のっていた缶が潰れた。
河川敷での練習。みんなシュートを決めたりコーンを避けてドリブルしたりしている。
私は橋にリムジンが止まっているのを見ながらこっそりリフティングをしていた。
久しぶりだ。
帝国との試合の時は、あまり触れなかったから。と…と…とん…と一定のリズムでボールを跳ねさせる。今度練習に混ぜてもらおうかと思った。
その日は兄さんが残って練習していくそうで、私は先に帰って晩御飯の準備をすることにした。商店街でコロッケを買い食いしたのは兄さんには秘密だ。ちょっとはしたないけれど。
兄さんが洗濯に出したユニフォームは、泥だらけでなかなか綺麗にならない。頑張った証拠なのだろう。
唸る大自然…かのような景色の広がる学校。
「あ〜…ここが野生中？こんなジャングルの中にあったんだ…」
かのような、ではなくてそのものだった。夏未先輩の乗ってきたリムジンを見ると、野生児のような生徒達が群がり齧ってみたり、開けてみたり…跳ねたりしている。
「な、なんなの？」
「あ、あの人たちですよ！野生中のサッカー部！」
「こんなのに負けられるかよ」
『プライドが許しませんね…』
なんとも言えないこの光景に呆れて見上げる空は、とてつもなく青かった。
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透(プロフ) - いふれんさん» ご指摘ありがとうございます。訂正させて頂きました。 (2018年7月16日 11時) (
レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
いふれん - 初めまして、少しだけ意味の違うところがありますので注意をしにきました、兄弟じゃなくて兄妹では？ (2018年7月16日 11時) (レス) id: ec36259cc9 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - ☆リズ★さん» そうなんですね！また時間がある時にゆっくり読ませていただきます！ (2018年7月3日 20時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
☆リズ★ - 透さん» いえいえ! 私もイナズマイレブンの作品を書いてます。 作者様、良かったら読みに来てください。 突然、すみません… (2018年7月2日 22時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - ☆リズ★さん» コメントありがとうございます。私自身とても気まぐれな人間なのでそう言っていただけるととても嬉しいです。頑張らせていただきます！ (2018年7月2日 22時) (レス) id: 5a32253be5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透 | 作成日時：2018年6月22日 0時
