検索窓
今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:409,783 hit

10 ページ11

「芙蓉妃…最近元気なかったしねえ、

芙蓉妃は繊細な姫だから御目通りの時に舞踊で失敗して、部屋に篭もり気味で入内してから2年御手付きも無し、まあ今度下賜される先は馴染みの武官だと聞くし、幸せになればいいね」

(ああ、なるほど)

夢遊病はよく分からない病気だ
原因は心の軋轢で、薬は効かない。
以前花街で、夢遊病の妓女がいた

「それで、その妓女はどうなったんだ」
「…これは猫姐から聞いた話なので
詳しくは分かりません。ただその妓女の身請け話が破談になったら徘徊は止まったそうです」

「つまり、身請け話が嫌だったのかしら」
「そういう事だと私は解釈しています」

「精神を落ち着ける薬や香を調合しましたが
どれも気休め程度だったそうです。
結局その妓女は年季を明け、この話は終わりです」


「本当にか?」
壬氏が身を乗り出してくる

( ˙-˙ )

(まずい、やってしまった)

「え、と本当にこれ以上はありません。
それでは仕事に戻りますので」



_________________________


「私にくらい話してもいいんじゃないかしら」

「…これは推測の域を出ません。
気分を害されないでくださいね?」

「自分で聞いていて腹は立てませんよ」
「他言無用ですよ?」

「口は堅くってよ」

「猫姐から
夢遊病の妓女の話は2つ聞いた事があります

1つは先日お話した妓女ですが
もう1つの話の妓女には新たな身請け話が持ち上がったのです、病を患っているということで
前の半分の銀で契約が成立しました。

つまりこれは詐欺です
妓女が病のふりをして1度破談にする。
そして本命の男が半額で身請けをする
妓女には年季があり、男には銀が足りなかった」

「つまり、芙蓉妃は同じということ?」
「あくまで推測です。
妃が間違ってお手付きにならないように、
最後まで純潔を守り抜きたかったんだと思います」

「帝についてはなきにしもあらずな話しね…
そんな芙蓉妃が羨ましいなんて言ったら
ひどい女かしら」
「そんな事はないと思います」

誰もがこの幸せな光景に羨望している
あの時の芙蓉妃はとても美しかった

(あの美しさの正体は恋だったのか)

恋が女を美しくするなら
それは、一体どんな薬になるだろうか

#01→←09



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (354 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
571人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

抹茶タピオカ2号(プロフ) - 全部読ませていただきました!とても面白かったです!( ≧∀≦)ノ (2020年6月19日 13時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
鵜久森(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます!二人の関係はお楽しみですね、笑 (2020年1月1日 23時) (レス) id: b3c4559ac8 (このIDを非表示/違反報告)
鵜久森(プロフ) - 蘭さん» なんと!偶然ですね^^楽しんで頂けたようでなによりです! (2020年1月1日 23時) (レス) id: b3c4559ac8 (このIDを非表示/違反報告)
- 奇跡的に本名とデフォが一生で読みやすかったです!話もとても楽しくて久しぶりに素敵な作品に出会いました! (2019年11月27日 9時) (レス) id: 871a4e4c3f (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 番外編02の壬氏さんがかっこよすぎて死にそうになりました笑 これからの2人の関係が気になります!更新頑張ってください(*'▽') (2019年11月10日 11時) (レス) id: 805e2c1757 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鵜久森 | 作成日時:2019年4月14日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。