二十二食目 ページ23
「いやあ、楽しかったね!」
「ああ!今まで生きてきた中で一番楽しい日だった!」
「大袈裟だなあ」
そう言ってクスリと笑うと、杏寿郎は朝と同じように何故かブンブンと首を振った。
今日はなかなかの遠出だった。
電車で海まで行き、泳ぐわけではないがそこでかき氷を食べたり、スイカ割りに混ぜてもらったり、子供たちと浜辺で遊んだりと、途中で買った日傘は全く役に立たないくらいはしゃぎ回った。
また遊ぼうね!と子供たちと約束したのを思い出しながら、電車の中で杏寿郎と喋った。
「また、あの子たちに会いにいかなきゃね」
「よもや!また一緒に行ってくれるのか?」
「もちろん!だから、それまで頑張らなきゃね!」
そう言うと、杏寿郎は嬉しそうにうむ!と頷いた。
と思えば、何故か申し訳なさそうな顔をこちらに向けてくる。
「その、頼みがあるんだ、A」
「ん、なになに?」
「君の、料理が食べたい」
「?いつも食べてるじゃない」
「いや、何だか今日は君の料理を独り占めしたいんだ。作ってはくれないだろうか…?」
杏寿郎にしては、珍しくか細い声。
そして何故か、恥ずかしそうに俯いていた。
「うん、いいよ」
「!いいのか!」
「今日はたくさん我儘聞いてもらったし、杏寿郎の我儘を聞いてあげよう!」
そう言って笑ってみせると、杏寿郎は今まで見たこともないくらいの満面の笑みを浮かべた。
「あ、じゃあ、食堂でもいい?そっちの方が材料も沢山あるし」
「うむ!もちろんだ!」
こうして、夕飯も2人で食べることとなった。
任務帰りの″あの人″が来ると思わずに。
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ニンニク - emiさん» このシリーズ好きなんですよ! (2020年4月30日 19時) (レス) id: c0f99f9f3e (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - ニンニクさん» 鼻からケチャップw お気を確かに!!笑笑 ありがとうございます!! (2020年4月25日 8時) (レス) id: 99f895e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
ニンニク - emiさん» 楽しみに待ってます♪伊黒さんかっこよすぎて鼻からケチャップが・・・ (2020年4月24日 22時) (レス) id: c0f99f9f3e (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - ニンニクさん» 本当ですか!嬉しいです!そんなことを言っていただけて光栄です!伊黒さん素敵ですよね!頑張ります!!コメントありがとうございます!! (2020年4月22日 10時) (レス) id: 99f895e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
ニンニク - このシリーズめっちゃ好きなんです!伊黒さんおしなので、更新されてるとすごい嬉しくなります!これからも頑張ってください! (2020年4月21日 23時) (レス) id: c0f99f9f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:emi | 作成日時:2020年3月10日 22時