第9話 ページ9
*
「不安、なんてありません。」
五条さんの問いに、きっぱりと言い返したAさん。
5年間ほとんどAさんに何も与えることができなかった私を、彼女は憎むどころか″愛している″とさえ言ってくれた。
……私は、彼女から貰ってばかりだ。
どうしようもなく、胸の内が温かくなる。
それと同時に、私の理性の糸は今にも切れそうになっていた。
″彼女に触れたい″という、この本能を止めることなど、できるはずもない。
そんな更に追い打ちをかけるように、Aさんはこう言ったのだ。
「私も負けないくらい七海さんへの愛は大きいと思ってるので心配は無用です!」と。
その瞬間、ピンと張っていたはずの理性の糸がプツリと切れた音がした。
五条さんを見送り戻って来た彼女に優しく肩を叩かれる。
その腕を掴んでぐい、と引っ張れば、Aさんはいとも簡単に私の腕の中に収まる。
驚いて上を向いた彼女と鼻先が触れる。
その距離を保ったままゆっくりと冷たいフローリングの床へと彼女の体を押し倒した。
ぐ、と両手首を掴んで床へと押し付けると、林檎のように真っ赤なAさんの顔が顕になる。
ああ、まずいな。
……限界、かもしれない。
ゆっくりと、確かめるように、
唇を重ねた。
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森 - ↓なな…なんと… (2022年2月24日 23時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - 森さん» 森様、てぇてぇ頂きました!笑 お察しの通り最後のシーンはハロウィンの直前でございます…これからの二人のことはご想像にお任せ致します… (2022年2月21日 12時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
森 - てぇてぇな〜‼ ところで、これは2018年でしょうか?(ハロウィンもあっちゃったりしちゃいます?) (2022年2月19日 1時) (レス) @page3 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - emiさん» ひぇ、、なんと……(震」 (2022年1月27日 18時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - たろ。さん» たろ。様、コメントありがとうございます!何だかんだ五条先生は後輩思いだよなという私の解釈を盛り込ませていただきました笑 実はこのお話の後、あのハロウィンが来てしまうのです……(トラウマ) (2022年1月27日 17時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:emi | 作成日時:2021年3月3日 6時