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任務の場所へと足早に向かう途中
懐に入れた遺書と、その傍らで転がるお守りに手を触れる。
胸が温かかった。
こんな感情はいつぶりだろうか。
もう母が亡くなってから、こんな感覚を覚えたことは無かった。
ポカポカと踊る心。
いけない、と自身の頬を力強く叩いた。
浮き足立ってしまっては、すぐに鬼にやられてしまう。
突然背後から現れた鬼の首を叩き斬る。
肩の力が抜けて、久しぶりに自然な動きができた。
不思議だ、このお守りのおかげだろうか。
ふと代書屋の彼女の顔が浮かぶ。
彼女は、もう既に俺の仕事を悟ったのかもしれない。
でなければお守りなど作らないだろう。
それでも、彼女は決して深入りはしなかった。
そんな彼女に何度も助けられた。
けれど、
俺の事をもっと知って欲しいと願うのは、
我儘なのだろうか…?
こうして俺の胸にまた、モヤモヤとしたものが漂った。
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emi(プロフ) - 柚葉さん» コメントありがとうございます!感動させられるようなお話を作るのが目標だったのでとても嬉しいです!これからも精進させていただきます! (2021年1月30日 19時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
柚葉 - 涙が出て止まりませんでした。 (2021年1月30日 9時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - あさこさん» ありがとうございます…!あさこ様を感動させることが出来て本当に嬉しいです!きっと幸せに暮らしていますよ!コメントありがとうございます! (2020年11月8日 23時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - とても美しい物語で一気に読んでしまいました!途中から涙が止まりませんでした、来世で2人が幸せになってくれることを心から祈ります(´;ω;`) (2020年11月8日 22時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - ゆきえもんさん» 読んでいただきありがとうございます!!読み直して気が付きました…記憶が曖昧なまま書いてしまってました……ご指摘本当にありがとうございます!! (2020年11月8日 6時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:emi | 作成日時:2020年4月23日 21時