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*






「っ、ううっ…!煉獄さん…ッ!」





堪えていた涙は、その文を読み終わった瞬間ぽろぽろと零れ出てきた。





先程ならば静かに涙を流せていたのに、






今はもう自分でも訳が分からないほど声を上げて、嗚咽を漏らして泣いていた。









狡い、狡いですよ、貴方は。









「これじゃあ遺書じゃなくて、恋文じゃない…!」







ギュッとその文を胸に押し当てる。








大声で泣き喚くけれど、不思議と胸は痛まなかった。









「私も、愛していますよ、煉獄さん。」









そんな呟きも、彼なら聞いてくれると思った。






聞こえていると思った。









「貴方と出会えて、良かった。」








綺麗な、風流な言葉なんて出てこなくても、この想いはきっと彼に届く。








そんな声に、想いに応えるかのように、









一つ、鈴の音が鳴った。









胸に当てていた封の中から、その鈴の音は聞こえる。









それを開くと、そこには、









「…ああ、貴方だったのね、」









あの日の藤の簪。







無くなっていたあの簪は、彼が買っていたのだ。









「本当に、狡い人ですね、煉獄さん。」









男性から女性に贈る簪の意味は、「求婚」。









そして、藤の花言葉は…









「決して、離れない。」

敬具→←.



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emi(プロフ) - 柚葉さん» コメントありがとうございます!感動させられるようなお話を作るのが目標だったのでとても嬉しいです!これからも精進させていただきます! (2021年1月30日 19時) (レス) id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
柚葉 - 涙が出て止まりませんでした。 (2021年1月30日 9時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - あさこさん» ありがとうございます…!あさこ様を感動させることが出来て本当に嬉しいです!きっと幸せに暮らしていますよ!コメントありがとうございます! (2020年11月8日 23時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - とても美しい物語で一気に読んでしまいました!途中から涙が止まりませんでした、来世で2人が幸せになってくれることを心から祈ります(´;ω;`) (2020年11月8日 22時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - ゆきえもんさん» 読んでいただきありがとうございます!!読み直して気が付きました…記憶が曖昧なまま書いてしまってました……ご指摘本当にありがとうございます!! (2020年11月8日 6時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:emi | 作成日時:2020年4月23日 21時

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