それぞれの日常Ⅱ (ページ21)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:3,250 hit

・ページ21

·

※一瞬ﾀﾋ表現あります

side瑞稀

ガタガタと大きい揺れを感じて目を覚ました。周りを見渡せば目的地周辺に近づいてる事がわかる。御者に声をかけ路銀を払い、降ろしてもらう

「…ここに来るのも久しぶりだな」

相変わらずこの国は暑い。ここに来たのは数百年ぶり…か。このままだと溶けちゃいそうだから早めに目的地へ向かおう

歩き始めてから数分。この国の端にある小さめな普通の家。…龍斗が唯一デザインして作ってくれた俺の家

「ただいま、みんな」

そう声を掛けても返事は無い。まぁ当たり前なんだけどな

荷物を置いて楽な格好をし、家の様子を確認する。ここを離れる時に保護と透過の術を家にかけといたから、そこまで汚れてない

ある程度家の確認を終えたら目的の部屋へ。厳重にかけたセキュリティを解除し、中に入った。中には天蓋のついたベッドが5つ並んでいる

「ごめんな、いっぱい待たせて。もう大丈夫だから」

俺は使われてる4つのベッド……永遠の眠りについている俺の大切なメンバーに声を掛けた

あの時の龍斗の返事はYESだった。まぁ仕事の担当が変わる時期まで待つ事が条件だったけど。元々しばらくこの国にいる予定だった為、俺達はその条件を飲んだ

その間に俺らの家も建てて貰えたし、たくさんの人に俺らのショーも見て貰えたしね。龍斗も無事に今の仕事の任期を終え、俺達に合流できた。

名前もHiHi Jetsに変えて、何もかも順調に進んでいた……はずだった

こうなったのはある出来事が関連してるんだけどそれはまた今度。その出来事のせいで皆致命傷を受け、ﾀﾋにかけた

俺が何とか皆の命を繋ぎ止め、この部屋に連れてきたけど、その時の俺じゃ皆を助けられなくて。その時の最善策が皆を眠らせて進行を遅らせる事だった

それも今日まで。俺達はまだこの世界を幸せいっぱいにしてない。HiHi Jetsが伝説のエンターテイナーチームにもなってない。俺達の伝説はまだ終わらせない

俺は呪文を唱えると皆が回復していくのが分かる。数分唱え続けていれば皆の瞼が少しずつ動き出した

「……おはよう、リュウト、ソウヤ、ユウト…リョウ。皆元気になって本当に良かった」

龍「…おはようございます」

蒼「助けてくれてありがとうございます」

優「心配かけてごめんね、ミズキくん」

涼「…伝説、作りに行こっか」

「おうっ！笑」

fin.