私が入った吹奏楽部は平均身長が高い

練習 ページ6

「はい！」


「はい！」


さっきからここでは返事の声が響いている。


えっと…作並君…という子が頑張ってる。


「はい！！」


「おっけ！」


やっとオッケーもらえた。


…は、10分かかっとるやん。


そら赤葦先輩が死んだ目になるわ。


次は、山口君。


「はい！」


「はい！」


「はい！！」


「うん、合格！」


割と早かったな、7分くらい。


後から聞いたら経験者らしい。納得。


次は、芝山君。


「はい！」


「はい！」


「はい！！」


「オッケーだべ！」


芝山君は初心者らしいけど、8分くらい…？


「はいっす！」


「“す”はいらないべ！」


…やばい、菅原先輩の目が怖い。


笑顔なのに目が笑ってないぃぃ！！


「は、はい！！」


「はい！！」


「はいオッケィ！」


なんとか終わった…15分くらいかかった…。


次は私。


「はい！！」


「合格だべ！」


「え？」


一発合格？


「声も大きいし、よく通る声だし、文句なしの返事だべ！」


おー良かったー。


他のグループも終わったらしい。


「1グループ1人代表で返事してくれ。じゃあ、俺のグループから！」


夜久先輩のグループかららしい。


誰だろう…と思っていたら、前に出たのは、前髪パッツンの男の子。


「スゥ…はい！！」


息吸う音が聞こえた。


大きい声。


いい声してる。


「次は茂庭んとこ。」


出てきたのはオレンジ頭の小さい子。


「はぁぁぁぁぁい！！」


「ちょっ、日向、さっき練習したやつやって！？」


うわ、先輩無視してるのかよ。


「ちょ、谷地さん！代わりに！」


「え、わた、私！？」


え、仁花ちゃん！？


大丈夫かな、“シャチ！”とか言わないかな。


即座に色々考えたが、杞憂だった…。


「……はい！！」


お、仁花ちゃんすっごいいい返事！


仁花ちゃんって息使うの上手いんだな。


「最後はスガのとこだな。」


さーて、息はあんまり吸わなくても、声は出る。


「はい！！」


おお、とどよめきが起こった。


でも私は疲れた…

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