我妻善逸、ヨコハマに来た【鬼滅の刃】【文豪ストレイドッグス】

問３９:壊れた時？ ページ38

【龍治郎side】

昔から御先祖は凄いと教えられてきた。鬼という悪を滅し人々を救ったのだと。俺達にもその血は流れている。だから善の人間になり、悪を滅せるような人間になれ、と言われ続けてきた。

自分もそうなりたかった。御先祖様は俺のように妹がいたらしい。それはもう、大事な妹が。話を聞いていて同じだと思った。

俺は妹が誇れるような兄貴になりたかった。だから色んな事を頑張った。家事も勉強も運動も、頑張れる事は全て。両親も喜んでくれたし、妹、禪豆子も喜んでくれた。その顔が見れるだけで嬉しかった。

ある日、俺の家に強盗が入った。俺は偶々出かけていて遭わなかった。けれど、家に帰った時には凄い事になっていて、ぐちゃぐちゃになった禪豆子の死体が出てきた。両親の死体は川から出てきた。

一瞬にして一人になってしまった。大好きだった家族が一瞬にして壊れてしまった。一人で置いていかれるのは迚嫌だった。だから、俺も死のうと思って自分の体に刺したのだ。


「兄様、兄様」


揺さぶられる感覚がする。可笑しい、死んだ筈の禪豆子の声がする。ありえない。目を開ければ、禪豆子が心配そうな顔で俺を見ていた。


「禪豆子……？」
「兄様！！」


「良かった」と嬉しそうな顔で言われた。状況が理解出来ない。一体、何故死んだはずの禪豆子が生きてるんだ、そう思っていたら禪豆子が言った。


「異能力だよ」

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