勘違い ページ2
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「首領さんは私の事を子供か何かと勘違いしてません?もう、貴方の許容範囲内では無いのですけれど」
「なんでだろうねぇ。君は赤ん坊の時から育てて来たからか、何時も愛しくて堪らないのだよ。きっとこれが世の中にいる親の気持ちなのだろうね」
「リンタロウ、キモイ」
私がエリスちゃんの真似をして云えば首領さんは「くっ…に、似すぎてて心臓に悪いよ日向君!!」と叫ぶ。とんだ茶番である。
因みにだが、私と首領さんは血は繋がっていない。私が産まれてすぐ、事故にあった両親の手術をしたのが闇医者をしていた首領さんで、助けようと奮闘してくれたらしい。然し乍、人間には限界というものがあって、両親は助からなかった。
その助けられなかったせめてもの償いとして私を拾った…と首領さんは云っていたが、どうも嘘っぽく感じるのは私だけだろうか?
だって、首領さんがそんな人並みの良心を持っている訳無いのだ。あの人の基本感情はエリスちゃん7:無慈悲3の対比である。
「日向君、時々は私の事をリンタロウと呼んでもいいのだよ?」
「首領と呼べと云ったのは首領さんでしょ?」
「そ、そうだけど……」
「ぼ・す・さ・ん♪」
ガクリと肩を落とす首領さんを見て私はクスクスと笑った。
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