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8話 ページ8
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人の死とは残酷であり、尊く綺麗なものに見える。目の前に寝そべっている女性を見て思った。
「貴女は生きたいと願いますか?」
まだまだ若い女性だ。彼女は結婚間近で死の病にかかり、旦那がボクの元へと訪ねて来たのだ。
「……私は───」
───生きたい
彼女はそう言った。ボクは満足気に頷く。病は気からと言われるように、精神が不安定だったら心身と共に病にかかってしまう。結局のところ、医者が病を治しても、治療した本人が生を渇望していないといけないのだ。
だからボクは治療する前に聞くのだ。医者として最低だと言うことは分かっている。でも、結局のところ本人が渇望していないのなら意味の無い話だ。
生を渇望せず、病を治す気がないのなら家族の居ない、知らない場所で勝手に死に腐れと思う。
「じゃあ、この粉薬を飲んで下さい」
水と共に赤い粉薬を渡す。女性は頷いた後、意を決したように粉薬を飲んだ。
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