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20話 ページ20



ブチ切れている実弥を笑って見送った後はボクは大人しく家へと戻った。結局、最終選別に行くまでに実弥はボクに勝ち越せなかったのだが、ボクは実弥を最終選別へと送り出した。

別に実弥を殺そうなんて一欠片も思っていない。最初に比べれば実弥の腕は上達して来たし、ボクに勝てないだけで、少し危なかったりすることはざらにあった。

唯、ボクの中での合格ラインが『勝ち越すこと』ではなかっただけで。

最終選別に実弥は行ってしまったのでこの家が随分と静かに思える。実弥は何かとよく怒って怒鳴っていたので、こんなに静かなのは本当に久しぶりだ。

それに家の中で1人だなんて何年ぶりだろうか。凄く久しく感じてしまう。

嗚呼、ダメだななんて思いながら月を見て自嘲の笑みを漏らす。人肌に慣れると、1人になった時が凄く寂しく感じてしまう。センチメンタル、と言うんだったか。

とても、とても感傷的になってしまう。おかげで思い出したくない事まで思い出してしまいそうだ。

それほどまでに、実弥が隣にいることに慣れてしまった自分に驚いたし、怖くなった。

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年9月15日 19時

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