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1話 ページ1



「何のため生きているの?」何度これを自問自答してきたか分からない。

真っ黒な空を見ながらボクは一人自嘲の笑みを零した。森の中。薬を調合する為に薬草を取りに来た筈なのに、ボクは薬草なんか詰まずに変なものを拾ってしまった。

少し緑がかった銀髪に、顔に大きな傷跡。しかし、血は出ておらず、昔にできた傷跡なのだろう。でも、手や足についている傷跡はまだ新しく、血がドクドクと流れている。

体格もまだ出来上がっていない子供。近くにグルグル巻きにされた鬼がいた事から戦闘をしていたのは目に見えているが…これは明らかに鬼に付けられた傷では無い。自傷だ。

気絶している子供を見て馬鹿だなと思う。声をかけても、頬を叩いても、傷口をつついて見ても起きる気配は無い。

放っておいてもいいが、そうするとこの子は目を覚ます前に大量出血で死ぬことになるだろう。まだ未来のある子だ。

こうして、この子を拾うこととなった。

因みにグルグル巻きにされていた鬼は綺麗な藤の花の中で逝ってもらった。

2話→



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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年9月15日 19時

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