俺が拾った【鬼滅の刃】【嘴平伊之助】

17話 ページ17

【天元side】

「天兄、天兄！！ 伊之助が痛い痛いだって！！」


俺の周りをグルグルと走りながら天は言った。「何が痛いんだ？」と問えば「コホコホしながら痛い痛いって」と言う。…ああ、派手に風邪ひいたのか。


「じゃあ、今日は大人しく俺と遊んでような」
「天兄、伊之助治せない…？」
「地味に寝てりゃ治る！ 安心しろ、風邪で死ぬほどお前の伊之助は弱くねぇ」


クシャクシャと頭を撫でたら天は「いやー」なんて笑って言う。楽しそうで何よりだ。


「天兄、天兄！ 伊之助一人で寂しくないかな？」
「心配か？」
「伊之助、天が痛い痛いの時、ずーと隣に居てくれたの！！ お手手繋いでね、大丈夫だぁーって！！ だからね、天も伊之助に大丈夫って言ってあげたいの！！」


俺の着物をちょんちょんと引っ張りながら「ダメかな？」と聞いてくる天はまるで女神だ。天気のように可愛い。こんな顔をされるとなんでも許してしまう。


「仕方ねぇな。地味だが、アイツの看病でもするか！」


俺がそう言って天を抱っこすれば天は「やったー！！」と喜んだ。嘴平の看病が出来て嬉しいのかはたまたは抱っこが嬉しいのか。

嘴平の為にも聞かないでおいてやった。

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