【実況者】私はあなたを信じています (ページ18)

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十八話ページ18

「なんであろまくんはあんたの味方なわけ！？」

神崎さんが私に向かって怒鳴る

私は神崎さんに呼び出され、体育館裏にいた

体育館裏に来た途端、そう怒鳴られた

「なんでって…」

「えおえおくんもそう！なんであの二人がっ！！あんたの味方なのよ！！」

神崎さんが、あの二人は気に入ってたのにと一層大きな声でそういった

「っ…勝手なこと言わないでよ！嘘ついて私から友達やキヨを奪ったくせに…！」

これが私が初めて神崎さんに反論した時だった

神崎さんの顔がみるみる般若のような顔になる

「お前ごときが私に口答えするな！可愛くもないし貧乏のくせに！お前なんかにキヨくんは不釣り合いなの！」

そう言い切ると神崎さんは息を切らし、呼吸を整えるとニヤリと笑った

そして大きく息を吸い込むと…

「誰かあぁ！！！」

「えっ…！？」

「誰か助けてぇ！佐藤さんがっ…佐藤さんがぁ！！」

神崎さんが大声でそう叫びだした

私は急なことに呆然としてなにもできなかった

でも複数の足音が聞こえ、私は震えた

あぁ、まただ。またみんなから責められる。あの冷たい目で睨まれる

「どうしたの！？」

「すごい悲鳴が聞こえたんだけど…！」

あぁもう、よりによってどうしてあなたたちが来ちゃうのかな…

「フジくんヒラくん、助けて！佐藤さんが暴力を振るってくるの！」

神崎さんがそう叫ぶと二人は私を見た

その目はまだ私を信じてくれているように感じた

「ち…違う…」

「本当なの！信じて？」

「A…本当なの？」

フジが私を見つめてくる

フジの目は何かを懇願しているようだった

「フジ…」

私はやってない

そう言いたかったけど、言えなかった

心のどこかでもうすでに諦めかけていたのかもしれない。違うと否定してもみんな結局神崎さんの方に行ってしまったから

私の言葉に信憑性はない

「…」

「ほら！黙ってるってことは私に暴力を振るったことを認めてるんだよ！」

「…そうだね、行こっか」

ヒラが神崎さんの手を引いて体育館裏から去っていった

フジも歩き出したけど、一度私の方に振り返った

「…友達だと思ってたのに」

その言葉は私を悪と認識したという意味で受け取っておけばいいのだろうか

歩き出したフジの背中をただ無言で見送る私

「バカだなぁ…私」

また一人、友達を失った

10月20日

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