アイドルとオタクとマネージャー∞

26.楽しみ方 ページ26

大「なんの気合いなん？」


『あ、えっと、、、』


楽しもうとしているなんてことを言うのはなんだかとても気恥ずかしい。

今まで楽しんでいないと思われるのも違うことだから。

楽しんではいたけれど、心からには足りなかったと思えてしまいそうだし、自分的に楽しみ方の捉え方が違っていた気もしてるわけで。

これは言葉にするよりも態度で示した方が1番伝わることだなと思って、手に持っていた缶をぐーっと飲みながら、


『ナイショ…です』


ふふっと笑みを大倉さんに返していたのは、少しだけ酔い始めていたからかもしれないな。

そして、そんな私に、


村「まだイケるか？」


と村上さんから差し出されたから缶を受け取って、新たに開けると、どこからともなく乾杯の声と缶が腕と共に伸びてくるお陰で、今日1日で一生分の乾杯をしたのではないかと思ってしまう。

時間と共にどんどんと差し入れられたご飯が綺麗になくなって。


『あ。』


思い出したのは自分で持ってきたモノのこと。

何人来てくれるのかわからなかったけど、それでもコレを作る間は楽しかったことを思い出す。

心から楽しむって、昨日とかもそうだった。

無心で作っていたというのもあるけれど、1人でも来てくれた人がいたら渡して、そして喜んでもらおうと思ったから、こうして持参したんだった。

すごく得意とかではないけれど、気持ちはとても込めたつもり。

立ち上がって動き出した私に、自然と皆が注文していて、袋を持って立ち上がって振り返ると皆の視線が私に集まる。


『あっ、えっと、、、』


ふぅっと大きく息をする。

全員のことを覚えられるくらい話をしたけれど、注目されると緊張はする。


『これ、作ってきたので、良ければ、、、』


大「チェキと一緒にプレゼント…やろ？」


いつの間にか私の横にいて、袋の中身をチラッと見てから被せるように大倉さんが声を出す。

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