アイドルとオタクとマネージャー∞

23.頑張れるのは ページ23

安「うわっ」


急な気配に驚いたのか驚いた顔をしつつもそれが私だと分かったからかまた空を見て、


安「健康的なことしてるって思わへん？」


目を少しだけ細めたから、私も同じようにして空を見る。

言われてみれば最近こうやって空を眺めることなんて全然なくて。

どちらかというとSNSに上げるための動画を部屋で撮影してばかりで、こんな風に外に出るのは久々だった気がしてくる。


『私もこんな風にするのは久しぶり…だな』


安「企画したのはAやろ？

そのお陰でボクらは今こうしてられるわけで。

ほら、見てみ？」


寝転がりながら指差す方に頭を動かすと、


『えっ！？』


大倉さんと、裕ちんと村上さん以外はシートの上だったり芝生に寝転んでいて、同じように空を眺めてた。


安「影響力、抜群やん」


笑い混じりの章ちゃんの声が聞こえたのか、離れたところから3人の笑い声も聞こえてくる。


『そうかな…？

でも、今日もこれからも。

ひとりでしなきゃならないことばかりだけど』


安「おん」


『…なんか、頑張れる気がしてきた』


安「せやろ？

ボクらが頑張れるのは推しが、Aが居るからってことだけは忘れてほしないなぁ」


『…///』


思わず赤面してしまった。

だって、視線を感じて章ちゃんの方を向いたら、章ちゃんも私の方を向いていて、なんだかとっても余裕な顔をして、そして柔らかく微笑んでたから。

寝転がっているというシチュエーションで、こんな青空の下で想像してはいけないようなことを終えたところみたいな雰囲気を醸し出されてどうしたらいいのかわからず混乱した私が取った行動は、


『ちょ、、、ちょっと、お手洗いっ』


大「黙って行け」


『は、、、ぃ』


レジャーシートから靴を履いて、そして、黙って行けなんて言いながらも大倉さんが着いてくる。


『ひとりで、、、』


大「あほか。

なんかあったらまずいやろ」


2mくらい後ろを歩きながら、スマホ出して何かをチェックしてそして口元がふわっと笑ったところを見ると、


『あの…』


大「ん？」


『今日ってもしかして、彼氏さんとデートの約束…でした？』


大「あ、、、あほかっ！」


慌てっぷりと声が裏返ったことで、やっぱりお相手さんとのやり取りなんだと確信した。

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