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「はぁ、、、」
盛大につかれた溜め息は、私の気持ちを吹っ切れさせるには良いきっかけになりそうで、グッと握った手に力を入れた。
今まで私を押してくれた大倉くんには胸の中で、ダメだったよと小さく呟いて、そして、
『急に、本当にごめんなさいっ』
正直、何に謝っているのだろうと思いながらも、この空気を変えるキッカケにしたくて頭を下げる。
また、少しだけ間があって、帰ろうかなと思えるくらい長く感じながら俯いてしまっていると、
「ほんま、急やで？」
「話、聞いてくださいなんていうから、そのつもりで来たんやで？」
『…』
「いつもよりも気合入った格好しとるし、たつと上手くいったんかななんて思って、おめでとうって言おうとしとったのに、俺が祝われて。
急にそんなん言われたら驚くやろ？」
「あんな、物事には順序ってのがあるやろ？」
『…はい、、、』
「、、、順序立てて…
ってことなんてどうでもよくなって、今、ただ嬉しいって思うくらい俺は単純やで？」
『、、、ん？』
上げた顔に映るのは、やっぱり困った顔をしながらも、それでも真っ赤になった信ちゃんで、
「誕生日なんて気にもせんと居ったのに、めっちゃ嬉しいって思う自分が居って」
「正直言うと、Aのことはたつの友だちやから同じように可愛くてしゃーないとは思っても、そう言う目で見ないようにしとったのに」
「ほんまに」
「どうなっても知らんで？」
最後だけ、そんなに真っ直ぐ言うから、信ちゃんの心を撃ち抜こうとしてたのに、私の方がクラクラと目眩がするくらいに撃ち抜かれた。
『、、、ずるい』
「ん？」
『そんな言い方されたら、100億点くらい加点される』
「なんやねん、それ」
『鈍感なくせに、こんな時にそうやって言うのずるい』
「鈍感言うな」
『本当のこと…だもん』
「否定はせんけど」
「ま、せやけど、覚悟はせぇよ？」
『それって…っ！』
.
誕生日になった瞬間のお祝いは信ちゃんにわかりやすく伝わって、晴れて私は信ちゃんの横に立つことができるはずだったのに…。
「飲み過ぎや！」
想いを言葉で表せなくて、飲み干していたカクテルに思いの外酔わされて。
足元が覚束ない私のことを軽々と抱き上げる信ちゃんには、今日もこれからも、
『加点しかできないよ』
好きが溢れていくだけになりそうです。
〜Fin〜
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蒼 - 物語読みました。 毎年こうやって作品を書いているの凄いですね(*^^*) (2020年7月2日 21時) (
レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - またまた続けてのコメントですみません...。 これ正しくはなにかあることをではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 11(Side girl)おまけのここの部分 なにがあることを期待しているわけじゃないけれど、少しでも綺麗にしたい、なりたいと思うのは女心で。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 8のここの部分 驚くくらいナンパな言葉が朝から漏れて、周りの人が振り返ったけどもう気になんてせん。 これ正しくは振り返ったけどもう気にならへんではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 7のここの部分 鏡の中に寝起きて情けない自分の顔があって、今日もいける…と意気込んだつもりやけど映るのはいつもよりも凹んだ自分の顔。 これ正しくは鏡の中に寝起きで情けない自分のではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2020年1月26日 0時
