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思わず自分の両手を見つめては、その体温を思い出して、最後の夜にアクシデントとはいえ触れることができたことを少しだけ喜んで。
そして、
『お、おやすみ』
「おやすみ、、、っ」
若干声が裏返りそうやったけど、なんとか変わらずに声をかけることが出来た。
俺も寝る準備をといろいろしてから、もうっかり馴染んだソファーに寝転がると、まだ遠くで雷の音がする。
「こんなに長く鳴るなんて珍しいな」
そう思いながら目を瞑るけれど、外からの音がまた近づくのがわかる。
さっきほどではないにしろ雷が鳴っていることには変わらなくて。
Aさん、平気かなと思った時に、微かに俺を呼ぶ声が聞こえた気がして起き上がる。
いつもは閉められている扉の前。
そっと耳を近付けると、
『たーくん、、、』
今にも泣き出しそうな声が聞こえてくるから、居てもたってもいられなくて、
「Aさんっ！？開けてもええ？」
返事が来る前に、扉を開けて。
ベッドの上で丸まるAさんを見つけては、
「俺が居るし」
と伸ばした手に、Aさんの腕が伸びるから。
ぎゅっと捕まえて、今度はさっきよりも強く抱きしめた。
「怖くないから。
すぐに遠くに行くから。
やけど、俺はどこにも行かへんから」
これはもうただの告白。
返事が欲しいわけやないけど、俺の想いを少しでも伝えられたらと言ったこと。
それでも俺らは身体を重ねるとかそんなことはなにもなくて、一晩中鳴り響く雷鳴の中、Aさんをぎゅっと抱きしめたまま眠っていて。
健全に一夜を過ごしただけ。
翌朝は昨日のことが嘘のように朝から青空が広がっていて、まだ眠るAさんを起こさへんように起き上がって。
朝ごはんだけ作って並べて。
そして、何も言わずに俺はAさんの部屋を出た。
顔を見てしまったらこの部屋を出ることが出来なくなりそうやから。
それに、俺はやりたいと思うことが出来たから。
夢を夢のまま終わらせるわけにはいかへんし。
実現させな、あかんことやし。
せやから、何も言わずに玄関の扉を開けて外に出る。
まぁ、こうして帰ったとしても、きっとマルから聞けばわかることやろうから。
「じゃ、またな、Aさん。
めっちゃ楽しかった」
その言葉だけを扉に掛けて一歩ずつ前に進み出した。
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蒼 - 物語読みました。 毎年こうやって作品を書いているの凄いですね(*^^*) (2020年7月2日 21時) (
レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - またまた続けてのコメントですみません...。 これ正しくはなにかあることをではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 11(Side girl)おまけのここの部分 なにがあることを期待しているわけじゃないけれど、少しでも綺麗にしたい、なりたいと思うのは女心で。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 8のここの部分 驚くくらいナンパな言葉が朝から漏れて、周りの人が振り返ったけどもう気になんてせん。 これ正しくは振り返ったけどもう気にならへんではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 7のここの部分 鏡の中に寝起きて情けない自分の顔があって、今日もいける…と意気込んだつもりやけど映るのはいつもよりも凹んだ自分の顔。 これ正しくは鏡の中に寝起きで情けない自分のではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2020年1月26日 0時
