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安「初めて会った日とか、なにかいつもと違うことしたとかあるんちゃうの？」
「うーん、、、あ。」
思い当たる節がひとつだけあって。
「ありがとう、ヤス」
伝票に手を伸ばそうとしてたところを横から抜き取って、切っ掛けになりそうなヒントをくれたお礼やからと定食を奢っては、なんだか良いことしたような気になって1人でニヤついたのを、店のおばちゃんに見られて恥ずかし過ぎて店を飛び出した。
それで、次の日から。
目覚まし時計を5分早くセットして。
いつもなら、鳴ってもそのままベッドで微睡む時間をやめて出掛けるための準備に費やした。
毎朝、寝起きの顔が酷くて、シャッキリさせるための時間は今までなら考えられへんようなものやけど、これで出会えたならと今までよりも早めに家を出て。
1本早い電車に乗って、昨日までよりも早めに着いたビルの入り口。
「、、、あ、、、」
見間違える訳なんかなくて。
会いたいと思ってた人の横顔が俺を追い越していく。
今日は駆け込みでエレベーターに乗るわけでもなくて、到着するのを立ち止まって待つ横に、自然と並ぶように立っては階数の表示を見上げてみる。
同じように見上げる彼女の視界の片隅に入らへんかなと半歩前に進んでみるも、すぐに到着するエレベーターに、心の中で毒付いて。
それでも先に乗り込んだのは、中からボタン操作で彼女を迎え入れるようにしたかったから。
停止階のボタンを押すために伸びてきた腕にドキリとして。
淡い色のネイルが見えて、ふわりと懐かしい香りが漂うから、くらっと目眩がしそうでハッとする。
エレベーターが止まる感じがして、慌てて押すのは開くボタン。
なにも気にしないように正面を向いたままの俺に、軽く会釈して降りるのがわかって、なんだかそれだけで彼女の視界に入ることができたと思って嬉しくなる。
こんな小さなことで心が躍って、どれだけ単純なんやねんと突っ込みながら、頬の緩みは抑えられていなかったようで、
安「なんかええことあったん？」
とヤスに開口一番に聞かれてしまう。
「にゃん、、、なっ、なんでもないわっ！」
噛み噛みの否定の言葉に説得力なんて一つもなくて、緩んだ頬を引き締められなくて。
その日はずっと気持ちはふわふわしたままで、帰り道のイルミネーションを横目に、まだなにも…名前すらも知らんのに浮かれた妄想しながらカップルを見て自分に重ねるとか重症やったといまだに思う。
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蒼 - 物語読みました。 毎年こうやって作品を書いているの凄いですね(*^^*) (2020年7月2日 21時) (
レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - またまた続けてのコメントですみません...。 これ正しくはなにかあることをではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 11(Side girl)おまけのここの部分 なにがあることを期待しているわけじゃないけれど、少しでも綺麗にしたい、なりたいと思うのは女心で。 (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 8のここの部分 驚くくらいナンパな言葉が朝から漏れて、周りの人が振り返ったけどもう気になんてせん。 これ正しくは振り返ったけどもう気にならへんではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 7のここの部分 鏡の中に寝起きて情けない自分の顔があって、今日もいける…と意気込んだつもりやけど映るのはいつもよりも凹んだ自分の顔。 これ正しくは鏡の中に寝起きで情けない自分のではないんでしょうか？ (2020年7月2日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2020年1月26日 0時
