20 ページ22
錦「どしたん？」
亮が飛んできたことでちょっとだけ声のトーンが大きくなった俺らが注目されるのは周りの視線で感じたし、すべての原因は俺にあるし。
他は誰も悪くなくて、Aが居らんかったらもっと大事になったかもしれん。
安「なにもないで？」
錦「ほんま？」
安「ほんま。飲みすぎたらあかんよって話くらいやで？」
『村上さん…』
「あかんなぁ…」
錦「なにもないんやったらそれでええけど」
ヤスが何もなかったと言うからそれ以上は亮も問われへんで、俺らを気にしながらもこの場から離れていくし、ヤスも同じように行ってしまうからここには俺とAだけ。
『もう少し飲もうかな』
俺の勢いを止めたことや触れてたことには何も言わず、ただ何もなかったように酒を眺めて、
『これにしよう』
なんて一升瓶を取り出すから
「貸せ」
まだ素直にはなられへん俺は、透明のグラスに酒を注ぐくらいしか出来なくて、それなのに、
『ありがと』
何もなかったように言われたら、
「お…おぅ…」
逆に何も言われへんようになってしもうた。
クスッと笑われたような気がするのと同時に、今、俺が注いだ酒のラベルが目に入る。
筆で一文字書いてあるだけのシンプルなもの。
読み方はこの下に書いてあるローマ字か…？
「し…りゅう…？」
紫色で描かれた龍の文字。
『初めて見るのだけど、ラベルがかっこいいなって思ったから、ジャケ飲みするの』
錦「それ、かっこええやろ？
香りもええし、ほんまは花冷えくらいで刺身と合わせてほしいんやけど…
ま、それは、次に覚えてたら。
あ、あとな。
龍は風水では主役の動物やし、力の根源みたいなあれやん？
それに紫は高貴な色やから、なんだか最強な酒って感じやろ？」
通りすがりの亮から風水からの話が出るとは思わなくて、一瞬ポカンと考える。
『…味わって飲まなきゃ…』
「そこかっ？！」
即座にツッコミを入れたのは、あまりにも大事そうに酒器を握るからで、
「ぬるくなってまうやろ？」
冷やでと勧められたのなら、それで飲んだ方が美味いはずや。
それに、もう、そろそろ席に戻りたい。
「行くで」
さっきのこともあって、ずっとここに居るのは憚られるからな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華絢(プロフ) - kukuさん» 乙女だから大丈夫よ(〃ω〃) 甘やかされたいのを引きずってるけど、、、まぁ、良いかしら？笑 (2019年9月21日 7時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
kuku(プロフ) - わたしこの場所にいて大丈夫かしら？って思いながら普通の恋愛を楽しむねwwもはや普通がわかんないけどww楽しみにしてるねー！ (2019年9月21日 7時) (レス) id: 77b505d5f1 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ブルームーンさん» こちらこそお立ち寄りいただき、ありがとうございます(〃ω〃) ね、どうなりますやら。彼はどう動いてくれるかなと、私も楽しみです(〃ω〃) (2019年6月14日 15時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - わぁー、どうなって行くんだろ…めちゃ、楽しみです！いつもありがとうございますm(_ _)m (2019年6月14日 14時) (レス) id: 9f4337f44a (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - 蒼乃碧さん» そんな気がしてましたかー？？？ねー、本当に、色々と、、、(ΦωΦ) (2019年6月3日 17時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華絢
| 作成日時：2019年5月14日 15時
