32-焼き魚-(Side B) ページ32
村「ここか？昨日言っとったとこは」
「うん、そう。
一人じゃ入れないし…
こういう店にランチで来る友達もいないし…」
村「洒落てるとこばっかやもんなぁ。
せやけどAやって
こことかは選ばなそうやのに、案外好きやってとこ。
ギャップしかないで？」
「そうかな？」
村「せやで？」
言いながら信五さんが引き戸を開ける。
カウンターがほとんどを占めていて、
テーブル席は4人掛けが2つの小さなお店。
中から焼き魚の匂いが漂って、
ぐうっと小さくお腹が鳴る。
村「美味そうやなぁ」
メニューを眺めながらも、
店内をぐるっと見渡して、
村「決まったか？ってやっぱりそれなんか」
と軽く笑って、私が選んだホッケ定食と、
おすすめと書かれたA定食を注文する。
それだけで終わる流れなのに、
気が付いたら
カウンターで魚を焼いている大将のような人と会話する信五さん。
こういうところは純粋にすごいと思う。
それに、私の前に置かれたホッケの開き。
自分でできると言っているのに、
村「なんかあったらあかんやろ？」
そんなことを言いながら、
きれいに骨を外してくる。
そんな様子を見ていた大将も笑いながら
「兄ちゃん、世話焼きやなぁ」
なんて言ってくるから恥ずかしくなるのに、
村「根っからのお嬢なんですわ。
せやけど、ここに来たいって言ったのこいつやし、
めっちゃ美味いし。
俺もまた来ますわ」
そんな会話をしながら、
さわやかに店を後にして家路につく。
この頃には信五さんから香ったシトラスの匂いは
焼き魚に変わっていたし、
家についてすぐに私のことを抱きしめて、
村「会いたかった」
って耳元で言ってくるから、
「私も…」
ふっと笑ったと思ったら、
私を抱き上げてベッドに運ぶ。
そっと座らせて、覆いかぶさってきては、
頭をゆっくり撫でてまた優しくキスが降って来た。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
