29-私の夫-(Side B) ページ29
ゆっくりお風呂に入って、
届いたばかりのあれ使おうかな。
明日のために肌を整えて、
そして待ち合わせするなんて、
デートみたいで浮かれるし嬉しくなる。
だって、出張から帰ってくると
旦那はたくさん私を甘やかしてくれるし、
優しく抱いてくれる。
平日も早く帰ってくると
甘い言葉を囁いて蕩けさせてくれるし、
満たしてくれる。
こんなにシアワセを与えてくれるのは彼だけだし、
彼しかいないし。
愛しているという言葉では足りないくらい
そばに居たいと思う人。
ボディクリームの甘い香りに包まれて、
今日は広いベッドでひとり眠る。
それでも寂しいと思わないのは、
明日の約束があるからで、
早く朝になって欲しと願うばかり。
.
朝早くに
-13時に駅に着くで？-
とメッセージが届いたから、
「最近出来た気になるお店に行ってみたい」
と返信する。
私一人では入るのに戸惑う定食屋さん。
カフェくらいだったら一人でも行けるけれど、
さすがに定食とか和食のお店はまだ抵抗がある。
-ええよ-
その返事を確認してから、鼻歌まじりで準備をする。
旦那も出張帰りで疲れているだろうけど、
それでも1日ぶりに会えるのだから、
嬉しい気持ちは隠せない。
.
時間通りについた駅。
1本早い電車だったのか柱の陰に見える愛おしい姿。
なにもせずにぼーっとしているだけでも
絵になるくらいピシッと着ているスーツ姿。
「…ごめんね？」
私の声にゆっくりと振り返るその顔を見て、
目が合ってから声を掛ける。
「待たせてごめんなさい。信五さん」
村「かまへんで？
俺が一本早い電車に乗っただけや」
「でも…」
村「ええねん。
お前より早く着いて待ちたかったんやから」
そう言って目尻が下がるから、
私も同じように微笑みかける。
微かに香るシトラスの香り。
…知ってるよ？
出張って、そういうことをしてる日だってこと。
気付いてないわけないじゃない。
でも、
知らないフリをするのは…
まだまだ可愛いお嬢ちゃんでいたいから。
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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ (2018年2月19日 19時) (
レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年2月19日 18時
